2019年度予算案は、年度内に成立する見通しだ。この予算案のうち、公民連携に関連する事業を3回に分けて解説する。第3弾は、総務省と内閣府の施策を見ていく。総務省は、自治体のオープンデータの取り組みに力を入れる。内閣府は、自治体のPPP/PFI手法の導入を支援する。

 総務省の2019年度予算案では、「PPP/PFI」「公民連携」を明示した項目はないが、公民連携の促進を目的とした施策として、自治体のオープンデータの取り組みへの支援等に2億6000万円を計上している。

○地域オープンデータ推進事業:2.0億円(前年度3.2億円)

 地域経済の活性化や地域課題の解決に寄与するオープンデータの利活用を進めるために、自治体職員向けのオープンデータ研修や、民間ニーズと自治体保有データとの調整・仲介などを実施する。2018年度予算で開設した「オープンデータ研修ポータル」の教材、eラーニング、相談窓口などを活用して、リーダーの育成や、データを保有する業務担当課職員の庁内研修を全国各地で開催する。

総務省が実施する地方公共団体職員向けオープンデータ研修のイメージ(資料:総務省)
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オープンデータ研修ポータル(18年度)

○自治体の非識別加工情報の提供に係る仕組みの検証:0.6億円(前年度0.2億円)

 自治体が保有する住民個人情報を、匿名化処理によって個人を識別できないようにした「非識別加工情報」として活用できるようにしていく。そのために、自治体から個人情報の提供を受けて非識別加工情報を作成して民間事業者に提供する仕組みについて、データの提供を効率的に処理するための方策などに関する技術的な課題を検証する。非識別加工情報の用途としては、たとえば次のようなものを想定している。

  • ・特別養護老人ホームの入所希望者名簿
  •   地域における介護サービスのニーズ分析
  • ・国民健康保険給付データベース
  •   性別・年齢別給付実績に基づく生命保険商品の研究・開発
  • ・災害要援護者ファイル
  •   要援護者の所在地の可視化に基づく防災支援・災害支援

内閣府は5事業を実施

 内閣府は2019年度予算案で、「PPP/PFIの推進」として前年度並みの1億7400万円を計上した。

○自治体におけるPPP/PFI事業の促進、アクションプランの推進に係る調査・分析等、PPP/PFIの推進:1億7400万円(前年度1億7500万円)

 自治体でのPPP/PFI手法の活用を推進するために、前年度と同じく以下の5事業を実施する。支援対象となる自治体等の募集要綱案は、既に2019年2月14日に民間資金等活用事業推進室(PPP/PFI推進室)が公表した。2月20日に募集を始め、3月20日に締め切り、予算成立後に支援自治体を決定する。

  • ・地域プラットフォーム形成支援
  •  金融機関や企業の関係者が集い、ノウハウ習得や情報交換を容易にする場(地域プラットフォーム)の形成や運営を支援
  • ・優先的検討規程運用支援
  •  従来手法に優先してPPP/PFI手法の適用を検討する規程を策定・運用して、実際の事業を進捗させようという段階を支援
  • ・民間提案活用支援
  •  PFI法に基づく民間提案の制度を活用し、民間のアイデアや能力の導入を支援
  • ・新規案件形成支援
  •  検討段階でPPP/PFI事業の実現性や方向性を提示して新たなPPP/PFI案件の形成を支援
  • ・高度専門家による課題検討支援
  •  コンセッション事業、収益型事業、公的不動産利活用事業を検討する自治体等に、法律・会計・税務・金融等の高度な知識を持つ専門家を派遣し、情報提供や助言の支援を実施。

内閣府が実施する2019年度のPPP/PFI推進に資する支援措置のイメージ(資料:内閣府)
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 また、「社会的ファイナンスの活用促進」として新規に800万円を計上した。成果連動型民間委託契約方式をはじめとする社会的ファイナンスの活用を促進するために、国内外の事例の収集・分析、国内での成果連動型民間委託契約方式の導入可能性の調査・分析、シンポジウムなどを通じた関係団体との連携促進・普及啓発を行う。

 このほか、2月7日に成立した2018年度第2次補正予算には、「民間資金等活用事業調査費補助金(PPP/PFI案件化促進)」として1億7000万円が組み込まれた。PFI事業等の導入を検討する自治体に対し必要な調査経費を助成する。2月28日に募集を締め切っている。

この記事のURL https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/news/031101089/