「池上エリアリノベーションプロジェクト」の取組イメージ(資料:大田区、東京急行電鉄)
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 東京都大田区と東京急行電鉄(東急電鉄)は2019年3月6日、駅を中心とした地域の持続的な発展を目指し、「地域力を活かした公民連携によるまちづくりの推進に関する基本協定」を締結した。両者は今後、主に区内の東急沿線の地域を対象に、「地域資源の発掘とプロモーション」や「空き家、空き店舗等の遊休資産のリノベーション等による地域活性化」といった取り組みを推進していく。

 協定に基づく取り組みの第1弾は、東急線池上駅周辺をモデル地区とする「池上エリアリノベーションプロジェクト」だ。池上駅では現在、駅舎改良・駅ビル開発計画が進行中で、大田区立池上図書館が2020年度に池上駅ビルに移転予定だ。プロジェクトは、この開発計画を契機として、池上駅から本門寺に至る参道を中心としたエリアで、地域の人々と協働して空き家や空き店舗などの遊休資産や公共資産の活用を進めていくという内容だ。

池上モデル地区概略(資料:大田区、東京急行電鉄)
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大田区立池上図書館が移転する池上駅(資料:大田区、東京急行電鉄)
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 2019年5月中旬に、このプロジェクトの推進拠点として、カフェやイベントスペースを兼ねた空間、「SAND BY WEMON PROJECTS(さんど ばい ゑもんぷろじぇくと)」を、池上4丁目に開設し、日常的な人材交流や地域資源の発掘、発信の場とする。拠点の運営パートナーには、アーティストユニット「L PACK」と建築家の敷浪一哉氏を迎え、日中はカフェを運営し、夜間はイベントを実施する計画だ。拠点の内装には、東急電鉄が2018年から実施している「駅古材活用プロジェクト」の一環で、池上駅の駅舎やホーム屋根で使用されていた木材を活用する予定だ。

 プロジェクトでは、まちづくり分野の有識者を招くシンポジウムや不動産オーナー向けのセミナー、リノベーション事業のプレーヤー誘致のためのワークショップなどを開催し、遊休資産活用に向けた機運の醸成から始まり、プレーヤー誘致、プレーヤーと不動産オーナーのマッチング、リノベーションプロジェクトの事業化支援などを実施していく。同時にまちづくりの主体となる人材育成や公共施設の活用検討、地域の情報発信などにも取り組む。

 東急電鉄と大田区はこれまでも、地域と連携して池上線沿線の魅力を発掘する「池上線生活名所プロジェクト」など、連携して地域活性化の取り組みを実施してきた。また、2017年には東急電鉄が主催し、大田区が後援する形で「リノベーションスクール@東急池上線」も実施。双方の強みを活かしたまちづくりの必要性や、駅を中心とした総合的なまちづくりについて検討を重ねてきた経緯がある。

 今回の協定の目的は、以下の4点だ。(1)地域住民の生活利便性の向上 (2)ものづくり、商業、観光等の地域産業の活性化 (3)多文化が共生する国際都市としての魅力向上 (4)区民の主体性を活かした持続可能なまちづくり

 協定の期間は、2024年3月末日までの約5年間で、池上のプロジェクトは、2021年度までの3年間を第1フェーズ、その後、2023年度までの2年間を第2フェーズとして進めていく。池上エリアと並行して、今年の夏に勝海舟記念館が開業予定の洗足池エリアなど他のエリアでも、連携したまちづくりについて検討を進める予定だ。

大田区と東京急行電鉄の基本提携に関する今後のスケジュール(資料:大田区、東京急行電鉄)
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勝海舟記念館の完成イメージ(資料:大田区、東京急行電鉄)
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