ANAグループ、NTTコミュニケーションズ(東京都千代田区、以下NTTコム)、羽田みらい開発(東京都大田区)は、地域に住みながら都会の仕事と地域の農業などを両立させる新たなコンセプトの街「アグリ・スマートシティ」の実現に向けた実証実験を実施する。3月9日、実証実験に参加する企業・団体・自治体の募集を開始する。

 「アグリ・スマートシティ」とは飛行機とICT(情報通信技術)によって地域と都会の人とモノを最速でつなぐことで、地方空港から近い距離(車で約30分圏内を想定)に豊かなライフスタイルを満喫できる新たな街のこと。ここで解決したい社会課題として「大都市圏への人口一極集中」「地域の過疎化」「日本の農業など一次産業の衰退」「イノベーションが生まれにくい環境」「国民の幸福度低下」の5つを挙げる。

「アグリ・スマートシティ」のイメージ(発表資料より)
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「アグリ・スマートシティ」のイメージ(発表資料より)

 3月下旬から、アグリ・スマートシティに賛同し実証実験に参加したいステークホルダーの募集を開始する。参加企業・自治体は、初期メンバー3社(羽田みらい開発は親会社の鹿島建設)が所属する一般社団法人・地域創生インバウンド協議会や、NTTコムの事業共創プログラム「OPEN HUB for Smart World」が提供するコミュニティ「OPEN HUB Base」の登録企業・団体・自治体に声掛けするほか、それらに所属していない企業・団体・自治体も応募可能としている。

 初回の説明会は、3月28日に羽田イノベーションシティで開催する。自治体向けと企業・団体向けに分けて全体説明した上で、参加方法、参加条件、ステークホルダーに期待することなどを提示し、質疑応答を行う予定。説明会の後に、さらに参加を検討したいステークホルダーには個別に相談を実施してから正式エントリー(参加表明)してもらう予定だ。

 実証実験は複数行い、利用者の反応を見ながら都度軌道修正して有効な形を探っていく。それぞれのステークホルダーが持つ強みやアセットを活かし、自治体の協力のもとで既存リソースを活用して実証実験の場をつくり、広くモニター参加者を募って効果や課題を分析する。例えば、既存のコワーキングスペース、統廃合後の学校施設・ホテルなど建物の空室部分・休耕農地などを利用し、飛行機の空席活用、DX・街づくりの知見、イノベーション創出に向けての仕組みなどを集めて実証実験を実施する。

 参加するステークホルダーが決まり、実証実験実施の準備が整った地域より順次、実証実験のモニター参加者を募集する。7月頃から参加するステークホルダーそれぞれの強みを生かして協力する「共創」によって、アグリ・スマートシティの実現に向けた知見や課題の共有を行いながら実証実験を推進する。

 実証実験は2024年3月までの予定。有効性と市場性が期待できる地域から順次、実証実験と並行して継続的な運営体制など本格サービス展開に向けた検討を進めていく。地域ごとの実証実験の結果を踏まえて、2023年7月以降に本格展開を目指す。