民間都市開発推進機構(民都機構)は3月4日、和歌山市のきのくに信用金庫と共同で、「きのくにまちづくりファンド」を設立した。同ファンドは、和歌山市の中心市街地やその周辺地域で、空き家や空き店舗を飲食、物販、宿泊などの施設にリノベーションする事業を資金面で支援する。有限責任事業組合(LLP)の形態をとり、きのくに信用金庫と民都機構が2000万円ずつ出資。総額4000万円の規模だ。

きのくにまちづくりファンドのスキーム(出所:国交省発表資料)
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 事業期間は2040年1月末日までの約20年間。市が都市機能誘導区域に定めているエリアのうち、JR和歌山駅から南海電鉄和歌山市駅にかけての市中心部、および南海電鉄加太駅周辺と、これらの周辺部で実施されるまちづくり事業を投資対象とする。

 これらのエリアでは、この50年間で居住人口が半減し、商店街の営業店舗数減少とそれに伴う空き店舗などの遊休不動産増加といった課題を抱えている。また加太地区は、史跡や自然などの観光資源を有し、観光を通じたまちづくりや観光を楽しめる拠点づくりが求められている。ファンドは、これらの地域課題解決につながる事業に対して、資金面で支援を行う。

きのくにまちづくりファンドの概要(発表資料を基に日経BP総研作成)
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 和歌山市は人口の減少、若者世代の流出、事業所・従業員数の減少、開業率の低迷、外国人観光客の増加といった課題を抱えている。同市は2014年から「リノベーションまちづくり」を展開。子育て環境の充実、雇用創出、都市型産業の振興などを目指し、遊休不動産や利用頻度の低い道路・河川、公共施設などの空間資源の活用と、民間主導によるリノベーション事業の実施に取り組んできた。ファンド設立により、これらの取り組みの一層の推進を図る。

 きのくにまちづくりファンドは、国土交通省と民都機構が2017年度にスタートした「マネジメント型まちづくりファンド支援事業」に基づくもの。同事業は、国土交通省と民都機構が地域金融機関と連携し、一定のエリアを対象に、リノベーションなど地域課題の解決に資する民間のまちづくり事業を推進するために、資金面で支援を行う事業だ。全国で17件目、和歌山県ではこれが初の事例となる。