広島県福山市は、1971年の開設から50年近くが経過して老朽化が進む福山地方卸売市場について、サウンディング型の市場調査を実施する。市場は全面建て替えも視野に、現在地での再整備を検討している。PPPによる様々な民間活力導入手法を検討するほか、余剰地を再整備の原資として有効利用することも視野に入れている。調査の事務局は、市場の運営会社である福山地方卸売市場が務める。参加希望者は、3月30日までに郵送または電子メールで所定の参加申込書を事務局に提出する。

福山地方卸売市場の位置(資料:福山地方卸売市場)
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市場再整備イメージ素案(資料:福山地方卸売市場)
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再整備事業方式のイメージ例(資料:福山地方卸売市場)
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  今回の調査は、外部の民間事業者と、生産者や実需者など市場関連事業者を対象に実施する。前者には、上記のうち事業手法や整備の方向性、事業参画可否や市況ニーズなどについて、後者には、再整備にあたって改善すべき課題や求める機能、期待する内容などについて提案や意見を求める。3月30日までに参加申込を受け付けた後、対話は4月13日から17日の期間に実施する。調査の結果は、概要を福山地方卸売市場のホームページ内で公表する予定だ。

 市場では、最終的な再整備計画策定に向けて、2回のサウンディング調査を予定している。1回目の今回は予備調査で、この調査結果を踏まえて「再整備計画(案)」を策定。その後、本調査を実施する。本調査へは、予備調査に参加した事業者に、優先的に参加してもらう意向だ。

 福山地方卸売市場は福山市引野町1丁目の、JR山陽本線東福山駅から徒歩5分の場所にある。5万5051m2の敷地に青果、水産、塩干の各卸売場を中心に、店舗、事務所などの建物が立っている。市場は取扱量の拡大などを目指し、ハード、ソフトの両面から再整備を進めていく考えだ。再整備にあたっては、閉鎖型施設への移行、市場内物流の機能強化、余剰地・既存施設などの活用の3点を要点に掲げている。課題となっているコールドチェーン対応と併せ、市場全体を外気から遮断できる閉鎖型施設へ移行するほか、物流動線の効率化、市場施設の高層化や駐車場の立体化による敷地や施設の有効活用を進めていく。

 市場は、これらの要点を反映した現時点のイメージとして、整備方法や事業方式も含めた詳細な「イメージ素案」を要領内で提示している。イメージ素案によると、敷地は市場機能エリアと外部(民間)事業者誘致エリアに二分。卸売市場の機能を卸売棟と食品流通棟に集約・高層化し、これにより生まれる約2万2000m2の余剰地が、外部事業者誘致エリアとなる。

 現在、卸売市場の敷地と建物は、福山市と場内事業者などが所有しているが、イメージ素案では、民間事業者が、ここに卸売市場の施設と自社の収益施設を整備し、卸売市場の施設は場内事業者に賃貸し、収益施設は自ら管理運営して収益を得るという事業スキームを想定している。外部事業者誘致エリアの土地については、施設整備にあたって占有使用する部分は、民間事業者が賃借する。市場機能施設については、償却完了後に所有権を市場に移管することを前提としたリース契約とするが、余剰地活用により収益性を担保することで、場内事業者が支払う施設使用料が、過度な負担とならないようにしたい考えだ。国の交付金も可能な限り活用していく。

 以上がイメージ素案の概要だが、これらはあくまでも市場が描く現時点のイメージであり、サウンディング調査に参加する事業者の創意工夫や新しい提案を縛るものではない。今回の提案や要望を反映させた形で、福山市と場内事業者などと効率的な土地利用や事業方式について検討していく。

 これらのイメージ素案も参考に、サウンディング調査では、以下の内容について対話を交わす。