国土交通省は3月19日、福岡市東区にある国営公園、海の中道海浜公園について「官民連携による魅力向上推進方針」を策定した。国営公園において、このような官民連携の方針を策定するのは今回が初めてのケースだ。国交省は、同公園内で滞在型レクリーション拠点の整備・運営を検討しており、今回の方針に基づき、2019年夏頃には、公募設置管理制度(Park-PFI)による事業者の公募を実施する予定だ。

福岡市東区にある国営公園、海の中道海浜公園の位置(資料:国土交通省)
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 海の中道海浜公園は、九州本土から志垣島へと伸びる半島「海の中道」において、レクリエーション利用と自然環境保全の目的で整備・管理運営されている国営公園だ。計画面積は約540ヘクタールにおよび、現在、このうち約298ヘクタールが供用されている。開園は1981年。園内はA~Dの4つの地区にゾーニングされ、動物の森、バラ園、大芝生広場、プール、水族館などの多様なレクリエーション施設がある。ファミリー層を中心に年間200万人が訪れている。

海の中道海浜公園の2017年4月1日現在の供用区域と、公園のゾーニング(資料:国土交通省)
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 今回、策定した方針では、以下の4点が掲げられた。

  • (1)海の中道のポテンシャルを活かした個性ある魅力の継承、強化
  • (2)不断の新陳代謝による継続的な魅力向上
  • (3)計画段階からの民間事業者の意見の反映
  • (4)各主体が有機的に機能し、相乗効果を高める体制の確保

 このうち(2)には、公園内で十分に魅力を発揮できていないエリアの利用促進や、施設の老朽化・陳腐化によるリニューアルの際には、積極的に民間事業者のアイデアやノウハウを活用し、官民連携で園内施設の継続的な新陳代謝を進めていくと記されている。そして(3)では、新たな施設を整備する際には、まずPPP/PFI手法の活用可否を検討し、施設の再整備・再編を計画する際にも、計画や構想の段階から民間事業者の意見を聴くとしている。

 また、今回の方針に基づく取り組みは、早期に実現を目指す取り組みと長期的な取り組みに分けて検討を進めていく。方針の中で、早期に進める取り組みとして示されているのが、海岸沿いに位置するB地区を拠点とした事業だ。現状では、公園の利用がC地区に集中し、さらなる利用者増を目指すにはB地区の利用促進が不可欠であること、および方針策定に先立って2018年5月から6月にかけて実施したサウンディング型市場調査では、B地区を中心に園内のいくつかの場所で、民間事業者による新たな事業の可能性が確認されたことから、B地区での事業を検討することにした。

 想定している事業は、海岸沿いのエリアを拠点に、B地区内にある池と森も活用し、海の中道を遊び尽くすための滞在型レクリエーション拠点を整備・運営するというもの。国交省は整備のイメージとして、水上スポーツやレクリエーションが楽しめる拠点、キャンプなどのアウトドアが気軽に楽しめる拠点、地元の新鮮な食材などを味わうことができる拠点などの例を挙げている。2019年夏頃の公募を目指し、準備を進めていく計画だ。

 長期的な取り組みとしては、(1)民間活力を活用するエリアのゾーニングの検討、(2)施設の更新時期等を踏まえた長期的、継続駅な魅力向上の取り組みの推進、(3)園内の交通アクセスの改善の検討が挙がっている。

 なお、サウンディング型市場調査には9社・グループが参加した。民間事業者からはB地区とC地区への事業提案があった。提案が多かったB地区に対しては、オートキャンプ、グランピング、テーマ型ホテル、会員制リゾートホテル、運動を含めたレクリエーション施設やマリンスポーツ施設などのアイデアが、C地区に対しては、大型テーマパーク、ロードサイド店舗、マリンスポーツ施設、既存の遊戯施設やプールなどの改修といったアイデアが寄せられた。

海ノ中道を遊び尽くすための滞在型レクリエーション拠点の整備、運営のイメージ(資料:国土交通省)
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