長野県安曇野市は、松本大学と連携して2019年から3年間の予定で行っている「自転車を活用した健康づくり実証実験」について、松本大学による2020年度の結果報告を3月24日に公表した。同市は「長野県自転車活用推進計画」に基づき、「自転車を活用したまちづくり」に向けて検討を進めている。実証実験は、この施策の一環として行われているもの。自転車を日常生活で活用することで、健康増進につながるか、健康づくりのためにはどのような自転車の乗り方が効果的なのかを2019年度から21年度までの3年間にわたり検証している。

実証実験の流れ(資料:松本大学成果報告より)
実証実験の流れ(資料:松本大学成果報告より)
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 2020年度の参加者は安曇野市在住者より公募で選ばれ、2019年度より10人多い35人。GPS付腕時計型活動量計を貸与され、6月から11月までの6カ月間、通勤や買い物など日常生活で自転車を積極的に活用してもらったという。また、実験期間中には月に一度教室を開催し、松本大学による運動指導や栄養指導や元マウンテンバイクオリンピック代表の小林可奈子氏による自転車指導などを行った。

ワークアウトデータ取集の仕組み(資料:松本大学成果報告より)
ワークアウトデータ取集の仕組み(資料:松本大学成果報告より)
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2020年度 安曇野市自転車を活用した健康づくりの実証実験スケジュール(資料:松本大学成果報告より)
2020年度 安曇野市自転車を活用した健康づくりの実証実験スケジュール(資料:松本大学成果報告より)
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 参加者には自転車教室の初回と最終回に2回の体力測定を行い、結果を比較した。報告の対象となったのは、35人のうちデータに欠落のない29人。2020度の実験では、新型コロナウイルス感染症の影響により自転車に乗る機会が減ったが測定数値では脚筋力や握力の向上が見られたという。また、参加者の中には、この教室に参加したことにより、運動習慣が定着し、毎日の食事にも気を配った結果、大きな改善があらわれた人の例も紹介されている。大きな改善が見られたケースは、今まで運動習慣のなかった人が、通勤や買い物などに自転車を多く使い、運動や食事を意識したため効果があらわれたと分析している。

体力測定結果 今年度初回6月vs最終11月(資料:松本大学成果報告より)
体力測定結果 今年度初回6月vs最終11月(資料:松本大学成果報告より)
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実施している運動の種類と実施者数(資料:松本大学成果報告より)
実施している運動の種類と実施者数(資料:松本大学成果報告より)
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 成果報告では、「参加者の健康や生活習慣に関する意識の向上は見られているものの、行動可及びその定着には、もう一歩踏み込んだアプローチをしていく必要がある」といった課題も挙げられている。今後は実技指導のみでなく、運動に関する知識のインプット、より個別の栄養指導支援の強化を行い、行動変容を定着させていくとう。

この記事のURL https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/news/032801931/