京都市は、京町家の利活用を目的とした「京町家賃貸モデル事業(以下、モデル事業)区の京町家の活用事業者を決定した。事業者はIzutsuRealty(イヅツリアルティ、京都市)で、築約90年の木造2階建ての京町家(延床面積 74.56m2)をオフィス付き住宅として整備する。

「京町家賃貸モデル事業」の第1号となった中京区の町家(資料:京都市)
「京町家賃貸モデル事業」の第1号となった中京区の町家(資料:京都市)
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 モデル事業は、入居者が見つからない京町家について、市が借り上げて事業者に転貸することで京町家の保全・継承を推進するというもの。京町家での暮らしぶりやその魅力をSNSなどで発信することで、現在利用されていない京町家などの保全・継承の機運を高めることを目的としている。

 モデル事業の対象は、京町家条例に基づく個別指定京町家と地区指定内の京町家のうち、所有者が「市が借り上げるのであれば活用してもよい」という意思を示した物件。市では2020年10月から12月にかけて市からの転貸借事業者を公募していた。

 第1号案件となる今回の物件は京都市中京区壬生東にある。もともと職住共存の染物関係の工場だったと考えられるが、ここ5年ほどは空き家になっていた。これを所有者から京都市が借り上げ、イヅツリアルティに転貸する。イヅツリアルティはクラウドリアルティ(東京都千代田)がサービス提供する投資型クラウドファンディングによって資金を調達。整備した町家を再転貸する。

「京町家賃貸モデル事業」のスキーム図(資料:京都市)
「京町家賃貸モデル事業」のスキーム図(資料:京都市)
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 クラウドファンディングへの出資の申し込みは2021年4月21日~5月12日。最低出資額は10万円からで、目標額は2000万円。想定運用期間を約35カ月、想定利回りを年率0.1%~4.5%(税引前)と見込んでいる。資金が目標額に到達しなかった場合はクラウドファンディングは不成立となり、資金調達者への送金は行われない。京都市によると、その場合はイヅツリアルティが別の手段で資金を調達することになっているという。

訂正履歴
初出時、事業者名を「イズツリアルティ」としてましたが正しくは「イヅツリアルティ」です。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。 [2021/4/6 16:35]