東京都は、災害時に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域(木密地域)を対象に、民間事業者による「魅力的な移転先整備事業」を進めている。その第1弾となる「足立区江北地区」の事業者募集要項と、第2弾「足立区関原地区」の事業実施方針を3月29日に公表した。いずれも、東武伊勢崎線西新井駅西口一帯の木密地域の住人の移転先として、コミュニティーに配慮した賃貸集合住宅を建設し、管理・運営を行うものだ。事業者には、移転元の土地の買い取りなど、移転を促す取り組みも求められる。

東京都が足立区で進める木造住宅密集地域の移転対象地域と、移転先となる江北地区と関原地区の事業用地の写真(資料:東京都)
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 「江北地区」の事業用地は足立区江北四丁目18番の都有地776.99m2で、50年間の定期借地権を設定する。貸し付け料の基準月額(最低価格)は24万8636円で、保証金は貸し付け料の30カ月分。ただし、建設工事期間の貸し付け料は全額免除される。建物は単身世帯向け、夫婦世帯向け、子育て世帯向けの全10戸以上が条件だ。提案の審査項目として「魅力ある住環境の形成」「既存コミュニティの維持」「新たなコミュニティの形成(多世代交流等)」が挙げられている。

足立区江北地区における事業用住宅の戸数と家賃など(資料:東京都)
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 事業者は公募型プロポーザル方式で選定する。4月19日に説明会(参加申し込みは4月16日まで)、対話申請書を5月23日・24日に受け付け、6月上旬~中旬に対話を行う。提案書の締め切りは7月12日、7月下旬~8月下旬に審査委員会によるヒアリングを実施し、9月頃に事業予定者を決定する。2020年度に着工・竣工し、入居を開始することが条件だ。

 一方、「関原地区」の事業用地は足立区関原一丁目4番の都有地683.08m2。「江北地区」と異なり、事前に入居希望者を募集し、ワークショップを開くなどしてその希望を聞き取り、計画に反映する。竣工後も入居者による自立的な管理・運営を支援する、コーディネート業務を伴う。募集要項の公表・事業者の選定・契約は2019年度、業務開始は2020年度の予定で、2021年度の完成・入居開始を目指す。