茨城県高萩市と日産自動車は、コロナ禍によって新たなライフスタイルや宿泊手段として注目される車中泊を観光産業の活性化の手段として活用する実証実験を開始した。

車中泊に使用する日産「キャラバン マルチベッド」(出所:日産自動車)
車中泊に使用する日産「キャラバン マルチベッド」(出所:日産自動車)
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車中泊スポットの1つ、さくら宇宙公園 (高萩市衛星通信記念公園)(出所:日産自動車)
車中泊スポットの1つ、さくら宇宙公園 (高萩市衛星通信記念公園)(出所:日産自動車)
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5カ所の車中泊スポットと連携アクティビティの位置図(出所:日産自動車)
5カ所の車中泊スポットと連携アクティビティの位置図(出所:日産自動車)
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 実証実験は、日産自動車が商用バンをプライベートユースの車中泊仕様とした車両「日産キャラバン マルチベッド」を提供し、高萩市へ観光に訪れる実験参加者に貸し出す。顧客応対や車両管理などの運用は、高萩市観光協会が主体となって行う。

 車中泊スポットは5カ所。海岸、キャンプ場のほか、高萩市衛星通信記念公園(さくら宇宙公園)、高萩市里山交流館といった公共施設、水道・トイレ・調理場などのインフラを利用できる空き家を用意し、参加者が好みのスポットを選んで車中泊できるようにした。さらに、市内事業者と連携して、釣り、SUP(スタンドアップパドルボード)、ブッシュクラフト、ヨガ、乗馬などの7種類のアクティビティを用意。このなかから2種類を選んで体験できる。食事は、高萩市名産の食材を使った1泊2食(1日目夕食、2日目朝食)分を提供する。

 参加希望者は、専用Webサイトから申し込む。募集人数は10組20名を想定する。小学生以下の場合は追加1名の同伴も可能だがペット同伴は不可。応募者多数の場合は抽選となる。参加費用(税込み)は1人あたり6000円、小学生までは1人あたり3000円。募集期間は3月28日~4月15日。実施日程は4月28日~5月17日。

 高萩市は、海や山、渓谷などの自然を活用して「アウトドアのまち高萩」としての認知度拡大に取り組んでいる。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年度の観光客数は前年比46.4%と深刻な状況にある。また、市内に宿泊施設が少ないことや、観光客の7割以上の日帰り観光になっていることなど、地域資源を活用しきれていないといった課題があった。今回の実証実験では、こうした課題の解決策として、車中泊をベースとした観光コンテンツの創出を目指す。また、山間部の空き家や利用率が低下した公共施設を活用するなど、地域の社会課題になっている場所の利活用についても検討する。

 日産自動車は、実証実験の実施プランニングを高萩市と共同で行うほか、参加者募集の事務局として募集情報の管理や応募促進のためのPR活動なども担当する。実証実験後は、応募者の属性や参加者の行動履歴などのデータ、体験のアンケート結果を分析し、料金設定や運用フローを改善しながら、今後も定期的に車両の貸与を行い、10月以降をめどに観光協会などが主体となって事業を展開できるよう支援する。

 また、観光産業で同様の悩みを抱えた地域が多く存在することから、高萩市を皮切りに、他自治体や再生が必要な観光関連などの事業体に対して、今回の取り組みをモデルケースとした観光活性プロジェクトを提案していく。