川崎市は、高津区の住宅街にある橘公園について、公園内にある旧西部公園事務所とその周辺を対象に、社会実験に参加する事業者を募集中だ。受付は5月28日まで。

 社会実験は、橘公園の一部を利用して一定期間、飲食・物販サービスの提供や地域交流イベントなどを実施するもの。収益性や事業の有効性、地域ニーズを把握し、Park-PFIの導入に向けた諸条件の整理などを行うのが目的だ。

橘公園の位置図(資料:川崎市)
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 橘公園は、近隣に小中学校や保育園があるほか、市内を縦貫する幹線道路の尻手黒川道路にも隣接する。園内には、豊富な緑や池、自由広場があるほか、多くの遊具が設置され、春は桜、夏場は水遊び、秋はどんぐり拾いなど、季節を感じながら楽しめる公園だ。

社会実験の対象エリア(資料:川崎市)
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 社会実験を行うエリアは、旧西部公園事務所(以下、公園事務所)とその周辺の広場だ。「公園利用者の利便性の向上や公園サービスの質の向上につながるもの」「地域コミュニティの拠点としてさらなるにぎわいや憩いの創出につながるもの」という2つの視点を踏まえたうえで、公園緑地のオープンスペースのポテンシャルを生かした柔軟で自由な提案を求めている。市は提案例として移動式飲食・物販店舗の設置、広場のオープンテラス化、子育てイベントや体験教室の開催などを挙げている。

 社会実験の実施期間は、2021年5月から8月のうち1日以上1カ月以内。応募できるのは、提案事業を自ら実施する意思と能力を有する法人、または法人のグループだ。応募者は、所定の社会実験提案概要書などの必要書類を、5月28日までに電子メールなどで提出する。希望する場合は現地見学や事前相談にも対応する。

 提案受け付け後は、日程調整やエリア設定など実施に向けた事前協議、諸手続きを経て実験を実施する。実験期間中は、市が公園利用者を対象に実施する公園事務所の有効活用に向けたニーズ把握のためのアンケート調査に協力する必要がある。社会実験の実施結果は、実施事業者と協議のうえで内容の一部を公表する。

 公園内にある旧西部公園事務所(以下、公園事務所)は、1980年築の地上2階建て、延べ床面積約380m2の建物。2010年に公園事務所機能を他所に移転した後、一部を地域利用スペースなどに開放しているが、開放日が限定的で、あまり利用が進んでいない。地域からは、有効活用を希望する声が上がっているほか、周辺に樹木がうっそうと茂っていることから、安全面、防犯面における対策も求められている。

 このような状況から、市は、2021年3月に策定した「パークマネジメント推進方針」に基づき、公園事務所への便益施設の誘致などにより収益性を確保・向上し、その収益を公園に還元することで公園の維持管理水準の向上を図り、同時に、公園のサービスや利便性の向上、地域コミュニティの形成につなげたい考えだ。