大会時のイメージ外観イメージ(2015年10月時点)(資料提供:アミューズ)
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エントランスの大型ビジョンのイメージ(資料提供:東京都)
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VIP テラス席のイメージ(資料提供:東京都)

 東京都は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの会場の一つとして、有明北地区に整備中の有明アリーナについて、電通を代表とする企業グループを、運営権者の候補に選定した。同施設はPFI法に基づく公共施設等運営事業(コンセッション方式)による管理運営事業者を募集していた。

 管理運営は2021年6月から開始し、事業期間は2046年3月末までを予定している。企業グループは代表の電通のほか、NTTドコモ、日本管財、アミューズ、Live Nation Japan、電通ライブ、アシックスジャパン、および協力会社としてNTTファシリティーズ、クロススポーツマーケティング、三菱総合研究所が名を連ね、計10社で構成(以下、電通グループ)。電通グループは統括管理業務、開業準備業務、運営業務、維持管理業務を担う予定だ。

 有明アリーナは、オリンピックではバレーボール、パラリンピックではシッティングバレーボールの会場となる予定だ。地上5階建て、延べ床面積約4万7200m2の規模で、約1万5000席のメインアリーナと約1400m2の広さのサブアリーナのほか、飲食・物販店舗やジム・スタジオ、交流広場などから成る。

 都は有明アリーナについて、オリンピック・パラリンピック後は、国際大会などの質の高いスポーツ観戦機会を提供するとともに、コンサートなどのイベント開催を通じて文化を発信し、東京の新たなスポーツ・文化の拠点とすることを目指している。

 電通グループの提案は、「箱貸しからコンテンツ編成へ」をスローガンに、トップレベルのアスリートやアーチストから都民の利用まで、スポーツと文化のバランスを考慮した質の高いスポーツ大会や魅力的なイベント開催などのコンテンツを提供するというもの。

 同グループには、総合エンターテインメントのアミューズ、世界有数のイベントプロモーション会社、ライブ・ネーションも参画しており、グループ各社の誘致運営実績やネットワーク力を活かして、質の高いイベントを誘致、編成する考えだ。一方で、地域住民の参加型イベントも幅広く企画し、施設利用の促進と次世代アスリートの育成、都民の健康増進にも貢献していく。また、周辺施設とも連携し、地域の回遊性を高めるコンテンツ提供などを通じて周辺エリアの活性化も実現する。

 設備面では、アジアを代表する最先端のスマートアリーナを目指す。施設と来場者をつなぐ独自のアプリとアリーナ内高密度Wi-Fi、エントランスの大型映像ビジョンとデジタル演出といったITサービスを提供するほか、VIPテラス席の設置など、快適で便利な観戦環境も整備する。運営面では、イベントの制作・運営と多数の施設運営実績で培ったノウハウを活用し、安全で円滑なイベント運営に向けたサービスを提供する。

 なお、運営権対価は、都が示す参考価格、64億円以上に対して93億8682万7396円を提案。また、業績に連動して都に支払う金額については、「運営権対価支払後の税引前当期純利益の20%以上」という都の条件に対し、電通グループは「同50%」を提案した。

 今回の公募で提案書を提出したのは、電通グループも含めて3者だ。東京建物を代表とし、キョードー東京、鹿島建設など計13社(協力会社含む)から成るグループと、東京ドームを代表に、竹中工務店、博報堂DYメディアパートナーズなど計15社(同上)から成るグループである。

 講評では、電通グループの提案について、質の高いコンテンツ編成を目指している点、構成員企業の豊富な実績と世界的ネットワーク、最先端のスマートアリーナを目指す点、および収入・支出ともに現実性のある事業収支計画である点などが評価されている。3グループの比較では、電通グループの提案が全体を通じて優れており、特に事業実施体制の安定性や実績、誘致力、企画力、積極的な追加投資と都への業績連動支払いなどを高く評価し、選定に至ったとしている。

 今後、都と電通グループは、議会の議決を経て2019年7月に実施契約を締結する予定だ。