高台整備の候補地(出所:須崎市)
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 高知県の太平洋沿岸に位置する須崎市は、津波災害への不安感軽減、定住促進、交流人口拡大などを目指し、PFI事業として高台の整備に取り組む方針で、このほど実施方針を策定、公表した。現在、同事業を特定事業に選定するための情報収集を目的に、実施方針に対する個別対話と質問を受け付けている。個別対話を希望する場合は、4月30日までに所定の申込書を電子メールで送信する。質問は5月15日まで受け付けている。

 事業の名称は須崎市高台整備事業。20万m2の造成工事を想定し、市内の多ノ郷、多ノ郷西、市役所後背地、城山の4つのエリアが候補地となっている。事業は、「高台等整備」と「造成後の社会資本整備」の2段階に分けて実施する。「高台等整備」は高台造成のほか、道路や上下水道、砂防など周辺環境の整備を、「造成後の社会資本整備」は、定住促進のための住宅施設と芝生広場などの公園空間の整備を行うという内容だ。

 これらの施設を公共施設として整備し、さらに民間事業者に対しては、高台の景観を生かしたまちづくりのシンボルとなる施設の設置、運営と、従来の市街地エリアと高台の一体的なまちづくりの事業を期待している。シンボル施設の内容は、事業者の自由提案とする。

 民間事業者とは、PFI法に基づく事業契約を締結。BOT、BOO、BTOなど具体的な事業方式については、応募事業者が提案する。資金調達は、サービス購入型またはジョイントベンチャー型を想定しているが、事業方式の提案とあわせて、ソーシャルインパクトボンドなど新しい資金調達方法も含めたスキームを提案することもできる。

 なお、事業者は、「高台等整備」と「造成後の社会資本整備」のそれぞれの事業で公募・選定するが、造成前の段階で望ましい姿を想定し、事業全体を計画するバックキャスティング方式を採用する。造成段階の事業者が設立した特別目的会社(SPC)を、社会資本整備を担う事業者に引き継いで、1つのSPCで複数の事業を進めていく形を想定している。当初の事業者は、特定事業として高台造成工事を行い、引き継ぐ事業者は、特定事業および付帯事業として社会資本整備の業務を行う。社会資本整備事業の維持管理運営期間は、施設竣工後、30年間だ。

 このような方針を踏まえ、これらの高台整備事業に関する意見を求めている。PFI事業として実施する場合と市が実施する場合を比較し、民間事業者が実施するほうが性能面や機能面で優れ、効率性や有効性も高いと判断できる場合は、特定事業として選定する考えだ。市は、民間事業者との個別対話を実施した後、9月を目途に特定事業に選定し、2021年1月頃に募集要項を公表する考えだ。その後、7月頃に事業者からの企画提案書を受け付け、8月頃に優先交渉権者を決定する予定だ。

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