東京都は、民間事業者が公園施設を整備・運営する特許事業について、整備基準の改定に向けた考え方をまとめた「都市計画公園における特許事業の整備基準等の改定の考え方について~緑あふれる民間による公園づくり~」の案を発表。現在、意見を募集するパブリックコメントを実施中だ。期間は4月29日までで、電子メールまたは郵送で意見を受け付けている。

 特許事業は、都市計画法に基づき、民間事業者が知事の認可を受けて都市計画事業を施行するもので、東京都では、1970年に事業認可を受けた十三号地公園(船の科学館などを整備)、同1984年の後楽園公園(東京ドーム球場など)、同1999年の芝公園(ザ・プリンスパークタワー東京など)の事業例がある。

特許事業の概要(出所:東京都)
特許事業の概要(出所:東京都)
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都内にある特許事業により整備された都市計画公園・公園施設の概要(出所:東京都)
都内にある特許事業により整備された都市計画公園・公園施設の概要(出所:東京都)
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 これまで特許事業について国は1987年に認可にあたっての基本的な事項を示し、東京都は1996年に「東京都都市計画公園等整備事業における都市計画法第59条第4項の取扱方針及び整備基準」を策定。その中で、建ぺい率や緑化率などの基準を示し、民間事業者による適切な公園的空間の整備促進を図ってきた。

 今回、東京都は、この整備基準の改定に向けた考え方を示した。現基準では、特許事業の対象となる都市計画公園や周辺エリアの条件として、「センター・コア・エリア内(おおむね首都高速中央環状線の内側の東京圏の中核となるエリア)」「周辺業務が業務・商業系を中心とする土地利用」「対象地は1万m2以上」「今後、相当期間にわたって公共団体による事業が見込まれないもの」――の4点を定めている。加えて、整備条件として、事業地内の建ぺい率が100分の20以内、事業面積の100分の50以上を緑空間として整備――などが課されている。

 東京都は、改定に向けて認識している課題として以下の3点を挙げている。

  • ・ 民間事業者が整備・管理する公園を長期継続し、公的役割を担保できる仕組みとすることが必要
  • ・ 既存施設の更新を図り、誰もがいつでも利用しやすい公園施設が整備されることが必要
  • ・ 都市づくりへの社会的ニーズに対応した公園整備・管理を実現する整備基準等とすることが必要

 こうした現状を踏まえ、改定の方向性として示されたポイントは、以下の4点だ。

  • ①特許事業の対象範囲の変更
    従来のセンター・コア・エリアから、おおむね環状7号線内側の区域にあたる中核広域拠点域に拡大する
  • ②建ぺい率・緑化率の改定
    公園施設の種別によって設定し、緑化率は、屋上緑化や壁面緑化なども緑化率に含めたうえで、引き上げを検討する
  • ③都の政策課題への対応
    防災対応、暑さ対策、デジタル技術化活用など社会的ニーズに対応した公園整備・管理ができるように、整備要件・基準に、新たに「政策課題への対応」の項目を設ける
  • ④管理運営基準の拡充
    エリアマネジメントや健康維持などソフト面の機能も重要ととらえ、整備後の施設の管理運営規定の要件に、地域との連携や周辺地域からの人の動線の確保、災害時対応など公共的空間の役割に即した内容を拡充する
特許事業の対象範囲の拡大を検討(出所:東京都)
特許事業の対象範囲の拡大を検討(出所:東京都)
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 また、特許事業については、都内の事例が施設更新を見据える時期に来ており、民間事業者の参入意欲やモチベーションを高める仕組みづくりが必要なこと、および、国の「都市計画公園・緑地の整備方針」(2020年7月)において、民間活力の最大限の活用や公園の整備・充実の観点から、施設更新の際の基準改定の方向性が示されていることなどの背景もあり、今回の改定に向けた検討がなされることになった。