仙台市は東日本大震災後の防災集団移転促進事業による跡地の利活用事業(関連記事)において、第2次募集で4地区7区画(5.0ヘクタール)の活用事業者を選定したと発表した。今回選定されたのは5事業者で、民間のノウハウを生かして市民農園や、農業を核にした複合施設などとして活用される予定。

郡和子仙台市長(右から3人目)は、第2次募集の事業候補者に決定通知書を交付した(写真:仙台市)

 仙台市は防災集団移転跡地の利活用事業として、東部沿岸の南蒲生地区や荒浜地区など、5地区31区画(44.3ヘクタール)の活用事業者を募集してきた。昨年9月までに4地区18区画(35.9ヘクタール)の事業者が決まり、同年10月に南蒲生、新浜、荒浜、藤塚の4地区13区画(8.4ヘクタール)で第2次募集を実施。外部専門家や学識経験者を含めた仙台市集団移転跡地利活用事業者選定委員会による評価・選定結果をふまえて、7事業者の応募の中から今回の5事業者が選定された。これで集団移転跡地の9割以上の活用事業者が決定したことになる。

 南蒲生地区の2ブロックには、第1次募集事業候補者でもある企業、MITU(自然農園)が農産物の生産・加工・販売を通じた障がい者就労支援施設を整備。障がいの有無に関わらず、人と人が交流できる「ソーシャルファーム」として農福連携の事業展開を目指している。新浜地区、荒浜地区の3ブロックは畑や市民農園として利用される予定。また、藤塚地区の2ブロックでは建設会社の深松組が市民農園やレストラン、大型入浴施設を併設した複合施設「アクアイグニス仙台」を整備する予定。

■第2次募集で選定された活用事業者の提案事業(資料:仙台市)
地区 ブロック番号 事業候補者 面積
(ha)
事業概要
南蒲生地区 8・9 株式会社MITU
(第1次募集事業候補者)
0.8 農産物の生産・加工・販売、障害者就労支援
障害の有る無しに関わらず、人と人が交流できる農業コミュニティを創るソーシャルファームの展開
新浜地区 7 遠藤環境農園 0.2 農業(畑)
栽培・収穫体験を通し自然と触れ合うことができる魅力的な交流ゾーンとしての再生や海浜植物を育てるなど東部地域のみどりの再生に寄与
荒浜地区 5 荒浜ワイワイガーデン 0.3 市民農園
元荒浜住民が関わりながらつくる市民農園。気軽に荒浜を訪れる場所をつくり、その人達が交流できる賑わいの場を提供
5 ファーム・
SURF-SIDE荒浜
0.3 市民農園
元荒浜住民が関わりながらつくる市民農園。気軽に荒浜を訪れる場所をつくり、その人達が交流できる賑わいの場を提供
藤塚地区 1・2 株式会社深松組 3.4 複合施設(飲食店、温泉、マルシェ、農場など)
植物や農作物を「育て」、旬の食材を「食し」、温泉で「湯治」をする、「藤塚の文化・自然環境を五感で味わいつくす、ネイチャーゾーンの中核施設」
■事業候補者が決定したブロックの地図
(資料:仙台市)
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集団移転跡地、藤塚地区の1ブロック(写真:仙台市)

 さらに、南蒲生地区、新浜地区、荒浜地区において空きブロックが生じたため、第3次募集も検討中だ。スケジュールなど詳細は決まり次第、仙台市のホームページで告知する。仙台市は、第2次募集で落選した事業者について、空きブロックでの事業実施を希望している。

 仙台市の担当者は「今回決定した各事業候補者の事業内容はいずれも、東部沿岸部のにぎわいの新たな拠点の1つとして期待される。また、元住民の方々が関わることができる事業も多いため、住民同士のさらなる交流やにぎわいを生み出すことを望んでいる」と話した。