堺市は、泉北ニュータウン内にある大蓮公園と公園内にある旧泉北すえむら資料館の建物について、公募設置管理制度(Park-PFI)を活用して管理運営を行う民間事業者を公募。南海不動産を代表とする南海グループ公園管理団体を優先交渉権者に選定。3月27日に発表した。今後、市と南海グループ公園管理団体は5月頃に基本協定を締結。施設の開設は今年の秋以降を予定している。

南海グループ公園管理団体による提案「OUR HOME PARK(ふるさとの公園)」の大蓮公園内の活用イメージ(資料提供:堺市)
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南海グループ公園管理団体による提案「OUR HOME PARK(ふるさとの公園)」の旧泉北すえむら資料館の館内活用イメージ(資料提供:堺市)
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 大蓮公園は、堺市南区若松台にある約15ヘクタールの公園だ。公園面積の3分の1を大蓮池が占める。1982年に開園した。公園内にある旧泉北すえむら資料館は、泉北ニュータウン開発時の出土品などの文化財を展示していた博物館で、2016年に閉館した。建物は、著名な建築家の槇文彦氏が設計したものだ。市は、同資料館を含めた公園全体を、地域住民や来街者の憩いや集いの場として整備することで、このエリア一帯の活性化を図ることを目指し、Park-PFIの活用を計画。公募では、同資料館を活用した飲食・サービスの提供と特定公園施設の設置・管理、および公園全体の維持管理業務を核に、任意の事業提案なども含めた提案を求めた。

泉北ニュータウン内にある大蓮公園と公園内にある旧泉北すえむら資料館の位置図(資料:堺市)
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旧泉北すえむら資料館の収蔵棟(左)と大蓮公園の芝生広場の写真(資料:堺市)
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 南海グループ公園管理団体(南海不動産、南海ビルサービス、華まる園の3法人で構成)の提案は、「OUR HOME PARK(ふるさとの公園)」を全体コンセプトに、旧泉北すえむら資料館をカフェ、ルーフトップバーベキュー施設、民間運営の図書館、コミュニティー支援拠点などから成る複合施設に転用し、大蓮公園内にはキャンプサイトなどを設置するというものだ。これらの施設から上がる収益で設置、維持管理する特定公園施設には、駐車場とパンプトラック(スケートボードやマウンテンバイクなどで走行する起伏の激しいコース)を設置する計画だ。

 これらを整備することにより、地域住民を主体とした幅広い世代が活用できる公園空間を生み出し、次世代の住民にとっての「OUR HOME PARK(ふるさとの公園)」となることを目指す。地域の市民活動との連携も積極的に進めていくほか、事業のマネジメントにはオペレーションボード(公園運営方針検討委員会)を設置し、泉北ニュータウン内の住民や企業、組織などの様々な主体が参加する計画だ。

 これらの提案に対して、市は、旧泉北すえむら資料館の建物の価値を向上させるとともに具体性もある活用方法や、地域に開かれた事業展開を評価し、地域への波及効果も期待できるとしている。資料館内にオープンする図書館については、近接する市立図書館との差別化が図られているとし、民間の利点を活かした図書館運営が期待されている。

 このほか、公園の景観や施設の認識が具体的かつ正確である点、構成法人に地域の事業者が含まれ、地域経済の活性化につながるとともに、緊急時の迅速な対応が期待できる点などが評価された。一方で、改善を期待する点としては、リスク管理の徹底、より安定的な事業・収支計画の再構築、工事時の景観への配慮、中長期の視点をもった植栽維持管理を挙げている。