最適運用管理システムの構成イメージ
最適運用管理システムの構成イメージ
(出所:大林組)
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いこいの村なみえ
いこいの村なみえ
(出所:大林組)
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ふれあいセンターなみえ
ふれあいセンターなみえ
(出所:大林組)
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復興事業現場事務所
復興事業現場事務所
(出所:大林組)
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浪江町役場の公用車用簡易型水素ステーション
浪江町役場の公用車用簡易型水素ステーション
(出所:大林組)
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実証運用開始セレモニーでのテープカット
実証運用開始セレモニーでのテープカット
(出所:大林組)
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「メガソーラービジネス」2022年4月20日付の記事より

 大林組は、水素を複数拠点に運搬する際の搬送効率を向上させる「最適運用管理システム」の実証運用を開始した。福島県浪江町で取り組んでいる環境省の委託事業「既存の再エネを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築・実証事業」の一環。期間は1年間で、搬送費用削減効果を検証する。

 4月10日に開催された「第3回なみえ水素まつり」の一環で、実証運用開始セレモニーを開催した。浪江町は、同町で製造される水素を活用した「水素社会実現の先駆けとなるまちづくり」を推進しており、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として2020年4月から太陽光発電による大型水素製造プラント「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」が稼働している(関連記事:福島産「太陽光水素」が照らした東京五輪・パラ)。

 大林組は、FH2Rで製造された水素を中心に、ボンベなどで配送する同実証事業に取り組んでいる。今回、水素需要拠点の設備設置工事が完了したことから、FH2Rから水素を運び、電力や給湯、燃料電池車(FCV)の燃料として使用する。

 今回構築した最適運用管理システムは、大分県九重町で開発した水素製造プラント向けエネルギー管理システムの機能を拡充させたもの。従来は水素の供給拠点と搬送地点を個別に最適化していたが、同システムでは供給拠点と複数の施設を連携させ地域全体で最適化する。

 各施設の電力や熱需要、水素の残量・圧力を遠隔監視し、搬送トラックの運行状況をGPSで把握することで、自動で搬送計画を作成し指示する。また、水素需要状況を水素製造プラントにフィードバックすることも可能で、水素サプライチェーン全体の効率化に貢献する。三國機械工業、横河ソリューションサービス、ゼンリンデータコムと共同開発した。

 水素需要拠点は、温浴施設「いこいの村なみえ」、介護施設「ふれあいセンターなみえ」、復興事業現場事務所、浪江町役場(公用車用簡易型水素ステーション)の4カ所。

 いこいの村とふれあいセンターは、トヨタエナジーソリューションズ製の燃料電池を設置し、電力や給湯に使用する。いこいの村は週1~2回程度、トレーラー1台分3000Nm3の搬送を想定する。ふれあいセンターは未開業のため回数は未定だが、カードル1基あたり140Nm3の搬送を想定する。

 復興事業現場事務所は、デンヨー製の可搬型燃料電池を設置し、発電する。週1回以下、カードル1基あたり140Nm3の搬送を想定する。浪江町役場には、岩谷産業製の簡易水素ステーションを設置し、FCVへの燃料供給に使用する。週1~2回程度、カードル1基あたり140Nm3の搬送を想定する。