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移転整備後の競馬場のイメージ(資料:大和リース)
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 愛知県競馬組合は、PFI手法を活用して競馬場の移転、整備を行う「名古屋競馬場移転整備等事業」について総合評価一般競争入札を実施し、大和リースを代表とする企業グループを落札者に決定した。同組合によると、PFI方式で公営競技の整備や維持管理を行う全国初の事例になるという。

 同事業は、名古屋市港区にある名古屋競馬場を、愛知県弥富市にある競走馬の調教施設、弥富トレーニングセンターに移転。弥富トレーニングセンターの既存施設を改修して活用するとともに、スタンドなどの競馬場としての施設を新たに整備するというもの。

 具体的にはスタンド棟、ナイター照明、調教関係者住宅、広場などを新築し、騎手会館や馬場などは改修して利用する。これらを、民間事業者が施設を設計・建設した上で組合に所有権を移転し、その後、民間事業者が施設の維持管理と附帯事業を行うBTO方式で整備・運営する。附帯事業はレストラン運営業務を必須とし、その他に事業者の提案による任意の事業を行う。

 大和リースグループは、最近の日本プロ野球における「ボールパーク」の取り組みを参考に「エンターテインメントホースパーク」構想を提案。NPO法人などと連携し、キッズスクールや女性向けトレーニング、シニア向けウォーキング講座など、地域コミュニティに寄与するイベントの開催を検討している。

 事業期間は、設計・建設期間が2年9カ月、維持管理期間が約15年間の2037年3月まで。これらの条件で1月から3月にかけて入札を実施した結果、大和リース1社が応札し、落札した。落札額は、設計・建設費と15年分の維持管理費を合わせた総額で121億8240万円(消費税込み)だ。

 グループは、代表の大和リースのほか熊谷組と日本管財で構成され、協力会社として、松田平田設計とエコシステムズ・ジャパンが名を連ねる。事業は、構成会社の3社で特別目的会社(SPC)を設立し、実施する。組合では今後、組合議会の議決を経て、6月中旬にSPCと事業契約を締結する予定だ。

 現在の名古屋競馬場は1949年に、弥富トレーニングセンターは1977年に建設され、いずれも施設の老朽化と将来に向けた継続的な事業運営が課題になっていた。現競馬場のスタンドなどの施設を建て替えるには、競馬を開催しながら進めることが困難であることに加え、トレーニングセンターから競馬場への競走馬輸送にかかる日常的なコストや、ナイター競馬開催の可能性なども含めて総合的に検討した結果、弥富トレーニングセンターに競馬場を移転することに決めた。