パナソニック ホールディングス(以下、パナソニックHD)は、神奈川県藤沢市の「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」(以下、Fujisawa SST)で実施中の小型低速ロボットを使った住宅街向け配送サービスの実証実験で、国内で初めて完全遠隔監視・操作型(フルリモート型)の公道走行の許可に関する審査に合格し、道路使用許可を取得した。これによって、ロボットの近くに配置が必須だった保安要員が不要になり、フルリモートでのロボット配送サービスなどの実証実験が可能になる。

Fujisawa SSTを走行する小型低速ロボット(写真:パナソニックHD)
Fujisawa SSTを走行する小型低速ロボット(写真:パナソニックHD)
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 Fujisawa SSTは、パナソニック工場跡地においてパナソニックら18団体と藤沢市が参画するまちづくりプロジェクト。二酸化炭素70%削減、生活用水30%削減、再生可能エネルギー利用率30%以上、ライフライン確保3日間といった目標を掲げている。

 小型低速ロボットの活用は、人に寄り添うロボットで新たな配送サービスを提供し、人とモビリティが共存する活気あるコミュニティづくりに貢献するのが目的だ。2020年11月〜12月にフェーズ1として、管制センターと小型低速ロボットをインターネット回線で接続し、公道走行実証を実施。2021年2月〜3月にはフェーズ2として、小型低速ロボットを用いた配送サービス実証を実施している。

 こうしたFujisawa SSTにおける1200kmを超える走行実証実験では、小型低速ロボットの認識能力の向上、遠隔監視・操作に関する人工知能(AI)技術の進化などが実現。遠方の人、近接車両などの移動物体、路上落下物などを即座に発見し、遠隔監視・操縦を行うオペレーターに通知して、緊急時でもオペレーターが遠隔で適切な対応を取れるようにした。また、遠隔システムとの通信が途切れても、ロボットが自律的に安全な場所まで走行することも可能になった。

オペレーターによる遠隔監視の様子(写真:パナソニックHD)
オペレーターによる遠隔監視の様子(写真:パナソニックHD)
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 これによってパナソニックHDは、警察庁の定める「特定自動配送ロボット等の公道実証実験に係る道路使用許可基準」における完全遠隔監視・操作型(フルリモート型)の公道実証実験の道路使用許可基準を取得した。同基準では、ロボットの大きさは長さ120cm以下で幅70cm以下、電動機を用い、時速6kmを超える速度を出すことができないこと、公道で走行可能なのは歩行者が通行すべき場所として規定されている場所――などと定められている。

 パナソニックHDは、進化させた小型低速ロボットと遠隔管制システムを、エリアモビリティサービスプラットフォーム「X-Area(クロスエリア)」と名付けている。Fujisawa SSTでは小型低速ロボット4台を運用しており、2022年5月より、商業施設から住民に焼き立てパンや野菜など配送する実証サービスを行う予定だ。

Fujisawa SSTでは4台の小型低速ロボットを運用(資料:パナソニックHD)
Fujisawa SSTでは4台の小型低速ロボットを運用(資料:パナソニックHD)
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