愛知県長久手市は2021年4月19日、「透析・虚血性心疾患予防における医療連携プログラム」を開始した。同プログラムは、糖尿病患者のうち透析が必要となる症状および虚血性心疾患の発症リスクが高い対象者を抽出し、それらの対象者に生活改善の指導を提供しようというもので、患者のQOL(Quality of Life: 生活の質)向上と医療費の削減を目指す。JMDC(東京都港区)、アステラス製薬、スギ薬局、ライフログテクノロジー(東京都中央区)がプログラムに参加する。

プログラムの概要とJMDC、アステラス製薬、スギ薬局、ライフログテクノロジーの役割(出所:JMDC)
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 対象者の抽出には、JMDCが開発した疾患発症予測AI(人工知能)を使用する。JMDCは、複数の健康保険組合から収集したレセプト(診療報酬の明細)および健康診断のデータを蓄積した国内最大級の医療ビッグデータ「JMDC Claims Database」を構築しており、疾患発症予測AIのモデルの作成には、このJMDC Claims Databaseと機械学習の手法の1つである「XGBoost (eXtreme Gradient Boosted Trees)」を利用している。予測性能を示す指標であるAUC(Area under an ROC curve、1に近いほど高精度)は、透析が必要となる症状で0.98、虚血性心疾患で0.90を達成しているという。

 生活改善の指導は、状況に合わせた治療計画や適正な処方を専門医、日常的かつ総合的な継続診療をかかりつけ医が担当。このほか薬局薬剤師による服薬指導、管理栄養士による栄養指導も実施する。指導に必要となる対象者自身による食事や運動の記録および記録した情報の医療従事者との連携には、ライフログテクノロジーの健康管理アプリケーション「カロミル」を使用する。カロミルは、iPhoneやAndroidスマホで稼働するアプリであり、食事の写真からAIがカロリーや栄養素を自動的に解析する機能などを持つ。