大阪市は2022年4月20日、2021年度(2021年9月~2022年3月)に実施した大腸がん検診モデル事業において、受診率が目標の20%を大きく上回り、45.5%を達成したと発表した。

 このモデル事業は、大阪市が扱うがん検診の中で男女ともに受診率が最も低かった大腸がん検診の不定期受診層に対して行ったもの。対象者に選択の余地を残しながらより良い方向に誘導する「ナッジ」と呼ばれる行動経済学の勧奨手法を活用することで、受診率の向上を目指した。

大腸がん検診の受診率(2021年度)(資料:大阪市)
大腸がん検診の受診率(2021年度)(資料:大阪市)
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 大阪市では、大腸がん検診の受診率が低く、2019年度は7.9%、新型コロナウィルス感染症の影響を受けた2020年度は6.7%となっていた。今回の事業では、50~64歳の大阪市国民健康保険加入者で、2020年度に大腸がん検診未受診の人を対象とした。対象者の80%以上が、少なくとも過去5年間で1度も大腸がん検診を受診したことのない長期未受診者だという。

 具体的には、2つのモデル実施区(福島区、平野区)の対象市民約4000人のうち、検診キット送付辞退者などを除いた3816人の自宅に、勧奨資材を同封した大腸がん検診キットを直接送付。予約不要で近隣のイオンや区役所などの特設会場で検体を提出できるようにした。携帯電話番号保有者1725人には、ショートメッセージ用いてナッジ理論に基づく勧奨メッセージを複数回送信したほか、11月9日までに未提出だった2188人には再勧奨ハガキを送付するなどして、キット送付対象者の45.5%に当たる1737人から検体の提出を得た。

事業概要と実施の流れ(資料:大阪市)
事業概要と実施の流れ(資料:大阪市)
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 事業は、公募型プロポーザルにより選定したケイスリー(東京都千代田区)の企画のもとで実施。ケイスリーは、厚生労働省・経済産業省のPFS(成果連動型民間委託契約方式)モデル事業として、東京都八王子市や沖縄県浦添市 でも同様のナッジを活用した大腸がん検診の受診勧奨を実施してきた 関連記事