長野県松本市、中部電力、合同会社ネコリコ(東京都千代田区)、JDSCは4月22日、電力使用実績ダータを活用したフレイル検知の実証実施について協定を締結した。松本市では、5月から実証の参加者募集を開始している(松本市の募集チラシ)。

 モニターは市のフレイル予防モデル地区を対象に募集する。ひとり暮らしの高齢者(介護認定未認定者)100世帯を対象に実証実験を行う。期間は、5月中旬から2023年3月31日まで。フレイルと推定される高齢者を早期かつ網羅的に把握することで、市職員が予防改善のための適切な働きかけを行うことを目指す。

実証イメージ(画像提供:中部電力)
実証イメージ(画像提供:中部電力)
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 フレイルは、健康な状態と要介護状態の中間に位置する身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のこと。フレイルの兆候を早期発見し日常生活を見直すなどの正しい対処により、進行の抑制や健康な状態への回復が見込まれるとされる。

 松本市は、2022年度から和田・新村・波田・梓川・安曇・奈川地区の6地区を「フレイル予防モデル地区」に指定し、国の実証への参加や医療と連携したフレイル予防などに取り組んでいる。一方、コロナ禍で職員の訪問やフレイル予防講座など高齢者との接点の維持が難しくなっており、フレイルの早期把握や予防改善の働きかけが困難になっていた。

実証に用いるスマートメーター(画像提供:中部電力)
実証に用いるスマートメーター(画像提供:中部電力)
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 実証実験では、中部電力、ネコリコ、JDSCが開発したフレイル検知技術を活用する。高齢者には普段どおり生活してもらうだけで、電力メーター(スマートメーター)から30分ごとの電気使用量を取得し、そのデータをAI分析することで、フレイルの兆候を早期かつ網羅的に把握できる。ネコリコとJDSCが2020年秋に三重県東員町で実施した実証実験では8割近い判定精度を示したという。

三重県東員町での実証結果(画像提供:中部電力)
三重県東員町での実証結果(画像提供:中部電力)
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 松本市は、実証にあたっての住民説明、モニター募集、市民サービスへの活用検討を行う。また、中部電力はプロジェクトマネジメント、ネコリコは電力データの収集からフレイルリスクを可視化するシステムの提供、JDSCは電力データを解析してフレイルを検知するAI技術の提供を担当する。