山梨大学生命環境学部地域社会システム学科の田中敦教授・西久保浩二教授とマーケティングリサーチ会社であるクロス・マーケティングとの研究グループは、共同で47都道府県に在住する男女20~64歳の就業者(指定職業・職種を除く、7万6834人)に対し「ワーケーション」「テレワーク」それぞれの実施状況を聴取した。また、調査で「直近1年間にワーケーションを実施した」1000人を対象に「ワーケーションに関する調査」も実施した。テレワークを経験したことのある人は全体の約4割で、うちワーケーションの経験者は6.6%だった。

ワーケーションの実施状況(資料:山梨大学)
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 この調査は、科学研究費助成事業「ワーケーション導入による実施企業、従業員、地域への効果および影響について」の一環として行われた。山梨大学によると、調査を用いてワ―ケーションなど働く場所の自由度を高めた新たなワークスタイルやライフスタイルなどの分析や、受入地域に与える影響等、より詳細な研究成果を学会等にて発表する予定だ。今回の調査では、ワーケーションを実施した人の半数は観光地からでホテルの利用が多い。

直近で行ったワーケーションの実施場所と施設(資料:山梨大学)
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 ワーケーションを経験していた人1000人を対象に聞いた結果によると、ワーケーション先での1日当たりの平均労働時間は5.4時間。実施した人は家族旅行よりも一人旅がほぼ半数でもっとも多い。なお、今後のワーケーション実施や導入意向については、半数以上がまた「行いたい」と回答。制度として会社にワーケーションが導入されていた人は6割であるが、それを利用しなかった人も含め、本人の判断で自宅以外のリゾート地等で業務を行いながらこっそり休暇的な環境を楽しむ人たちも4割程度いることがわかった。

ワーケーション実施時の働き方、同行者、仕事内容(資料:山梨大学)
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 この結果について田中敦教授は、勤務先にワーケーションの制度がない、または制度を使っていない「隠れワーケーター」の存在が明らかになり、企業側はフレックス・プレイス制度の導入など働く場所の自由度を高め、社員が安心してワーケーションを行うことができる仕組みを検討する必要があるとしている。