山形県酒田市は「酒田商業高校跡地活用基本構想」を2021年5月に策定した。酒田商業高校跡地(以下、商業跡地)周辺を、山居倉庫や消防本署跡地と併せて「山居倉庫周辺エリア」と位置づけ、活用についての基本的な考えを示した。

酒田商業高校跡地の位置(資料:酒田市)
酒田商業高校跡地の位置(資料:酒田市)
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 酒田市の中心市街地は、公共施設や事業所、医療施設などの都市機能が集積する一方で空洞化が進み、居住人口が減少している。市では2000年から中心市街地を5つのエリアに分けて、活性化に取り組んできた。その1つが「山居倉庫周辺エリア」で、山居倉庫は同市を代表する観光資源であり、市内旅行のハブ的な存在だ。近くにあった酒田商業高校は2012年に閉校し、市が県から土地建物を取得して、現在は未利用地となっている。商業跡地の敷地面積は約2万883m2。

 商業跡地では、基本理念に「往古来今」(過去から未来まで続く時間の流れ)を掲げ、今後は「公」と「民」が連携し、活性化のための新たな取り組みを実践する。基本方針として、来街者にとっては倉庫と連携した「にぎわいの拠点」、市民にとっては利便性が向上する「日常生活の拠点」となり、交流と日常的なにぎわいが生まれることを目指す。また、庄内空港や幹線道路から中心市街地への玄関口となる立地を生かし、市街地への求心力や回遊性の強化を図る。

 具体的には「商業機能」「産直機能」「駐車場」「その他」の機能を取り入れる予定だ。商業機能としては、山居倉庫という歴史を感じられる集客施設や、市民が日常的に利用し生活利便性が向上する機能の導入を挙げている。産直機能としては、商業跡地に現在の産直機能を移転し、農産物振興や地産地消を促進する。また、駐車場の整備、子育て世代をはじめ多様な世代が訪れたくなる魅力的な空間やサービスの提供、DX(デジタルトランスフォーメーション)など新たなビジネスモデルの構築によるエリアの活性化も目指す。

 商業跡地には事業用定期借地権を設定し、市が民間事業者に土地を貸し付ける手法を基本とする。転売や乱開発を抑止するため、土地は売却しない。民間事業者は土地を賃借し、商業や産直機能、駐車場などをテナント契約もしくは直営で行う。

事業スキーム(資料:酒田市)
事業スキーム(資料:酒田市)
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 商業跡地では2021年度に市が校舎等の解体工事を行い、2024年度にかけて事業者募集・選定、工事を実施し、供用を開始する予定だ。なお、山居倉庫は2020年度に国史跡に指定されており、2021~2022年度に保存活用計画を策定し、2023年度に公有化・整備計画を策定する予定だ。

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