岡山県津山市は、市役所正面玄関前のスペース活用でトライアル・サウンディングを実施している。トライアル・サウンディングとは、利活用を検討中の公共施設などについて、暫定利用を希望する民間事業者を募集し、実際に、使用してもらう制度。民間事業者の持つアイデアやノウハウを、暫定利用により実現することで、より幅広い検討や早期の課題発見につなげる。

トライアル・サウンディングの実施を呼び掛けるチラシ(出所:津山市)
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赤色部分がトライアル・サウンディングの対象スペース(出所:津山市)
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 今回のトライアル・サウンディングは、津山市内の民間企業、NPOなどの法人、または個人事業主や任意団体などを対象に、食事や弁当の移動販売、パン屋、カフェといった「食」のサービスを提供する事業者を募集する。実施期間は9月30日まで。

 すでに提案の受付を始めている。暫定利用を希望する事業者は、事業概要などの必要書類を市に提出し、審査を経て実施事業に認定されれば使用許可を受け、暫定使用を実施する流れとなる。市は、希望があれば、書類提出前の事前相談や現地調査にも応じる。暫定利用中にはモニタリングやヒアリングを実施し、終了後に使用実績報告を提出する。

 提案時に提出する事業概要は、任意の様式で、事業内容や施設の利用範囲、スケジュールなどを記載する。暫定利用の期間は最短1日から最長1カ月程度だ。提案は、対象の施設に関するもので、確実に実施でき、公共施設を利用する職員や市民の利便性やサービスの向上に資する内容とする。

 市によると、今回の対象地である津山市役所正面玄関前は、大通りに面し、駐車場もある好立地ながら、雨水や落ち葉がたまり、現状は市役所の景観を損なう存在となっている。この場所のポテンシャルを生かし、魅力を最大限に引き出すために、民間活力導入による有効活用を検討することになった。市は、「気軽に、試しに使ってほしい」と呼びかけている。

 今回のトライアル・サウンディングは、民間事業者にとっては、少ないリスク負担で参入でき、当該地でのニーズの有無やコンセプトが合致しているかの確認、必要な設備や投資額の感触の把握などが可能になるメリットがある。市は、市場性の確認のほか、季節感のあるイベントの誘発や、当該資産の魅力・アピール力の向上にもつながると期待している。