和歌山県和歌山市は、2022年4月に入学した市内の小学校1年生(約2800人)に「子供の安全見守りネットワーク」の見守り端末を配布する。子供の安全見守りネットワークとは、市内に設置する「見守りスポット」の近くを子供(見守り端末)が通過する際、その子供の位置情報を記録するというもの。子供が迷子や行方不明になったときは、警察などの関係者と子供の位置情報を共有できる。和歌山市は2022年11月までに見守りスポットを整備し、本格的な運用を開始するとしている。

 見守りスポットは、市内50の小学校区ごとに20~25カ所(小学校、コンビニ、自動販売機など)に設置する。さらに、タクシーのセルフレジ型マルチ端末「Japan Taxiタブレット」や一般ボランティアのスマートフォンに「見守りスポットアプリ」をインストールしてもらい、見守り端末を携帯する子供がタクシーや一般ボランティアとすれ違った際にその位置情報を記録する。

子供の安全見守りネットワークの仕組み。見守り端末はホイッスル型、ペンダント型などがあり、ランドセルに装着する。将来はサービス対象を高齢者にも拡大していく(出所:和歌山市)
子供の安全見守りネットワークの仕組み。見守り端末はホイッスル型、ペンダント型などがあり、ランドセルに装着する。将来はサービス対象を高齢者にも拡大していく(出所:和歌山市)
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 子供の安全見守りネットワークは、和歌山市と和歌山電力(和歌山県和歌山市)が連携しながら運営する。IoT(インターネット・オブ・シングズ)を活用して位置情報を取得・記録するシステムはotta(福岡市)が開発した。同システムを利用した小学生の見守りネットワークは福岡市、大阪府四條畷市、東京都府中市などの自治体がすでに導入している関連記事1関連記事2

 子供が携帯する見守り端末は、2年生以上の小学生についても希望者全員に無料で配布していく。ただし、位置情報を実際に取得するかどうかについては「プライバシーの問題があるので、希望者だけを対象とする」(和歌山市)。また、保護者が子供の位置情報や移動履歴をスマートフォンからリアルタイムに確認できる有料のオプションサービス(月額495円、税別)も提供する。

無料サービスと有料サービスの違い(出所:otta)
無料サービスと有料サービスの違い(出所:otta)
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 和歌山市は2021年6月から一部の小学校区に見守りスポットを設置し、見守りネットワークの部分的な運用に着手していた。当時は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で広く周知する機会がなかったが、市内全域で本格運用するめどが立ったこともあって、2022年5月9日付で正式に発表した。