石川県加賀市は2021年度中に「e-加賀市民制度(加賀版e-Residency)」を開始する。同制度は、法令上の市民とは異なる市外在住の電子市民「e-加賀市民」に対して、様々な分野で市民に準じる行政サービスを提供するというもの。加賀市は、市外在住のe-加賀市民が市を訪れる機会をつくることで、観光客やリモートワークを通じた関係人口を増やし、将来の移住者の増加につなげたいとしている。

加賀市が抱える課題とe-加賀市民制度における電子市民の位置付け(出所:加賀市)
加賀市が抱える課題とe-加賀市民制度における電子市民の位置付け(出所:加賀市)
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 e-加賀市民に提供する行政サービスは、「滞在日数に応じた宿泊費などの支援」「市民だけを対象としているセミオンデマンドタクシーの利用」「移住体験プログラムの優先提供」「市が運営するコワーキングスペースや会議室の無償貸し出し」「移住手続きのワンストップ支援」「法人設立の手続きを市が支援」などを検討している。このうちコワーキングスペースや会議室の無償貸し出しは、リモートワークを目的とする滞在者を対象とする。加賀市は、「日中は仕事に集中、夜は各温泉街にある総湯(旅館の外にある共同浴場)を利用することで、心身共に快適な環境で仕事を進めることができます」とリモートワークでの同制度の利用を呼びかけている。このほか、市の政策決定のための電子投票システムにもe-加賀市民の参加が可能になるという。

e-加賀市民登録のプロセスと検討中のe-加賀市民向けサービス一覧(出所:加賀市)
e-加賀市民登録のプロセスと検討中のe-加賀市民向けサービス一覧(出所:加賀市)
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 e-加賀市民への登録申請はすべてネット経由の電子申請となる予定。本人確認や多重登録防止のためにマイナンバーカードを活用したデジタルIDソリューション「xID」を利用する。xIDは、スタートアップ企業のxID(東京都千代田区)が開発・提供するもので、スマートフォンで動作するアプリケーションとマイナンバーカードをひも付けして、スマートフォンから各種の電子申請を行えるようにする。加賀市は2020年から、各種の行政サービスの電子申請にxIDを利用している(関連記事)。

発表資料(PDF)

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