茨城県常総市は、公共施設マネジメントを推進するため、民間事業者からの提案による事業化を検討する民間提案制度を設けている。このほど、2020年度の募集要項を公開した。

 2020年度は提案前に事業を実際に試すことができるトライアル期間を新設。応募を検討する事業者は立地や使い勝手、事業採算性などあらかじめ体験して提案に盛り込むことができる。 トライアル期間の公共施設等の使用料金は無料だ(事業経費は事業者負担)。現在、トライアル事業の申込み、現地見学、事前相談を受付けている。事業提案の受付は9月7日から11日まで。

トライアル事業の流れ(発表資料より)
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 常総市の民間提案制度は、民間事業者のアイデアやノウハウ、技術を用いて自治体経営や市民サービスの質を向上させる提案を、自由に行うことができるというもの。市が保有する公共施設、公園、遊休地に関する提案を広く募集する。提案が採用され、事業化が決定した際には、提案者との随意契約を保証していることも特徴だ。

2019年度の提案採用状況(発表資料より)
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 市は、提案の例として、空きスペース有効活用、低未利用施設または土地の利活用、ESCO(省エネ)事業、ネーミングライツ、広告掲載などを挙げている。2019年度は、教育施設LED化によるESCO事業(事業者は東芝エレベータ)、広告付きAED無償導入事業(同、宣通)など8つの事業提案が採用され、現在、事業化に向けて協議を行っているところだ。

 提案は、市に新たな財政負担が生じないものを原則としているが、自治体経営に多大な貢献が見込まれ、市が新規に予算設定すべきと判断する提案であれば、この限りではないとしている。また、この制度は、民間の自由な発想による創意工夫を求めているため、単なる事業や施設の廃止提案、既存の委託業務を安価で受託する提案などは対象外とする。

 事業期間は最長で30年。市の新たな財政負担はないため、事業者は、事業化にあたって必要な資金や報酬を、提案対象の財産の貸付料・広告収入、光熱水費・保守費などの削減相当額、市の現行予算の流用、国や県からの補助金・交付金などから得るものとする。また、提案者の構成員、および提案事業の実施に際して採用する事業者は、可能な範囲で市内の事業者とすることも求めている。これらの条件に基づき、市に提案を行う。

 提案できるのは、提案内容を実行する意思と能力を持つ法人、個人事業主、任意団体など。市は提案書類を受付けた後、審査を行い、9月下旬に事業化に向けて検討を進める提案を選定する。その後は、市と提案者で詳細を協議、協議がまとまり次第、契約、事業実施の流れとなる。

 提案募集に先立つトライアル事業の受付は8月31日まで。希望する事業者は、市に所定の申込書を提出し、市との事前相談と使用許可申請を経て実施する。なお、次年度以降の提案を予定している事業者向けには、第2期として、9月1日から2021年3月31日の期間にトライアル事業を受付ける。

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