「日経コンストラクション」2017年5月22日号より

 国土交通省は今年の夏以降、全国10カ所で自動運転車を使った人や物の輸送サービスの実証実験を行う。道の駅などを拠点に4~5kmのルートを設定し、モニターとなる住民の自宅などを巡回する。同省が4月25日、拠点とする道の駅5カ所を公表するとともに、中山間地域の自治体を対象に実験箇所5カ所の公募を始めた。

■中山間地域における自動運転サービスのイメージ
近くに診療所や物販店などのある道の駅を拠点に、自動運転車が近隣住民の家を巡回する(資料:国土交通省)
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 実験の実施が決まった道の駅は、「かみこあに」(秋田県上小阿仁村)、「にしかた」(栃木県栃木市西方町)、「奥永源寺渓流の里」(滋賀県東近江市蓼畑町)、「赤来高原」(島根県飯南町)、「芦北でこぽん」(熊本県芦北町)の5カ所。

 ディー・エヌ・エー(DeNA)、先進モビリティ、ヤマハ発動機、アイサンテクノロジーの4社がそれぞれ持つ車両を実験に使用する。このうち、先進モビリティとヤマハ発動機の車両は、誘導のために磁気マーカーや電磁誘導線を路面に敷設する必要がある。

 5カ所の道の駅を拠点とする実験では、主に技術的な課題をなどを調べる。公募で選ぶ5カ所では、参加する自治体に運用方法などを自由に提案してもらい、ビジネスモデルが成り立つかどうかなどを検証する。

一般車に交ざって走行

 今後、各実験箇所でそれぞれ国交省の出先事務所と地元自治体などで協議会をつくり、走行ルートや実験の日程などを決める。交通規制して自動運転車専用のルートを確保するほか、一般車両に交ざって走行する区間も設ける。

 実験車両を走らせる期間は1週間、走行速度は時速10km程度とする予定だ。一般車両が混在するルートでは運転席にドライバーが乗り、非常時にはいつでも運転を代われるようにする。専用ルートではドライバーは不要だが、非常時に停止できるように係員が同乗する。

 この実験は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)に盛り込まれた自動走行システムの研究開発の1つ。SIPの実験としてはこのほか、今年3月に沖縄県南城市でバスの自動運転を実施した。9月以降には、首都高速道路などで実証実験も行う予定だ。