実施場所と事業のポイント(資料:横浜市)
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 横浜市は、港北区の小学校11校におけるVPP(Virtual Power Plant:仮想発電所)の供給契約を東京電力エナジーパートナーと締結した。

 2018年末までを蓄電池設置などの運用準備期間に充て、19年1月1日からVPPによる電力供給を開始する。供給期間は24年12月31日までの6年間。事業者は入札により決定した。横浜市によれば、電力契約でVPP構築を行うのは国内初だという。

VPPとはビルや家庭などに設置された蓄電池や太陽光発電設備、電気自動車などをエネルギーマネジメント技術によって遠隔・統合制御し、あたかも1つの発電所のように機能させ、電力の需給調整に活用する仕組みのこと。

 横浜市のVPPの特徴は、防災を大きな目的とする点にある。地域防災拠点に指定されている学校に、事業者負担で蓄電池を設置。平常時は電力の利用量調整を行いながら、非常時に備えて最低3kWh程度を確保する。災害などの折には、この電力を横浜市が防災行政無線や避難者リスト作成用のパソコンなどの電源に利用する。3kWh程度あれば、系統電力復旧までの3~4日間は使用できるという想定だ。電力契約には「平常時における電力系統からの電力供給」と同時に「非常時における蓄電池による電源保障」が盛り込まれている。

 今回の電力契約に先立ち、横浜市では、16年度から17年度にかけて実証を行った。東京電力エナジーパートナー、東芝と協定を結び、18区36校の市内小中学校に蓄電池を設置。蓄電池と太陽光発電との連携や蓄電池の高速充放電の作動のほか、地域住民との防災訓練を通じて非常時の機能も確認した。今後は、小中学校や公共施設への展開をはじめ、コンビニエンスストアなどの民間施設や電気自動車の活用などを公民連携で進めていく。