愛媛県西条市は5月14日、愛媛銀行(愛媛県松山市)、プラスソーシャルインベストメント(京都市)との協定の下、ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)で実施する事業の公募を始めた。同市は2018年度から、地元で資金を募って地域活性化事業を行う「西条市版SIB」に取り組んできた(関連記事)。西条市版SIBのテーマはこれまで特産品開発などに限られていたが、今回からは国連が掲げる持続可能な開発目標であるSDGsの達成につながる事業を募集する。

西条市版SIBの事業スキーム(出所:西条市)
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2020年度の西条市版SIBの事業募集チラシ(出所:西条市)
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 西条市版SIBでは、事業資金を地域の個人や企業から投資型クラウドファンディングで集める。事業実施後、あらかじめ決めておいた成果目標の達成が認められれば、市が交付金を支出。中間支援組織であるプラスソーシャルインベストメントがその交付金を原資として、出資者に出資金元本を償還する仕組みだ。

 西条市、愛媛銀行、プラスソーシャルインベストメントの3者は2017年12月27日、地域における社会的投資推進に関する協定(ローカルファンド構築事業の推進に関する協定)を締結している。愛媛銀行は、このSIB事業において出資金振込口座を提供する役割だ。

 西条市版SIBでは従来、地域の食材を使った料理や加工品を生み出す事業に取り組んできたが、2020年度はSDGsの達成につながる事業を募る。これに加えて、事業を通じて目指す「実現したい将来の地域の姿」が明確で、多くの人の共感を呼ぶことや、主に西条市内で活動し、西条市民を含む多くの人へのサービスを生み出すこと、事業に継続性があり、将来は地域の雇用創出につながる可能性があることを条件に掲げた。

 募集期間は2020年5月14日から6月12日まで。書類選考を経て、同年7月上旬にプレゼン選考会を開く。選考会の審査委員は外部有識者で構成する。7月上旬のうちに採択事業を通知し、事業は採択通知日から開始。クラウドファンディングは8月から9月頃に1カ月程度実施する予定で、事業者へ出資金が払い込まれるのは11月頃になる見込みだ。事業実施期間は2021年1月末まで。2月に事業者が成果をプレゼンし、審査が行われる。成果目標達成が認められれば、市が交付金を支出する。支援金(成果目標達成後に市が交付する補助金)の上限は50万円である。

 事業対象者は、主に西条市内で事業に取り組む個人事業主や中小企業、農林水産業者、創業者、NPO法人、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人、これらに準ずる活動を行う団体など。

 なお、新型コロナウイルス感染拡大による地域の状況を踏まえ、西条市は秋頃に追加募集を行う考えだ。