公共資産マネジメントを推進する千葉県市原市は5月25日、民間事業者からの提案を事業化する民間提案制度を開始した。市は、「公共施設を未来のいちはらへのプレゼントに」という意味を込め、この制度に「いちプレ」という愛称をつけている。

 2020年度の提案書の受付期間は8月3日~31日で、審査結果は10月に公表予定だ。事業者は、提案提出前に市に事前相談をすることが必須となっている。事前相談の申し込みは既に始まっており、8月14日まで受付けている。

民間提案制度「いちプレ」の概要(出所:市原市)
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 市原市の民間提案制度は、民間事業者から公共資産の利活用について提案を受け、審査のうえ、公益性や独創性があると判断できる提案については、その提案者を優先交渉権者に選定するというもの。その後、事業の実現に向けた協議を行い、事業化が決定した場合は、提案者と随意契約を結ぶ。

 制度は、事前相談、提案書提出、審査、事業化に向けた協議、事業化という流れで進んでいく。公募型プロポーザル方式と比べ、実施までの期間が短く、また、市と民間事業者が協議しながら柔軟に事業を組み立てられるといった特徴がある。

 提案の対象となる公共資産は、「ウィッシュリスト」(市が積極的に提案を受け付けたい公共施設・土地)と、「サプライズ」(そのほかのすべての公共施設)に区分。いずれも市のウェブサイトで詳細を公開している。

 ウィッシュリストには、スポーツ施設内の余裕スペースや公園の広場の利活用、事業予定地の暫定利用など計28の施設や土地が掲載されている。サプライズは、ウィッシュリストに掲載されているもの以外のすべての公共施設が対象で、小中学校や子育て支援施設、公営住宅、消防施設など多岐にわたる。なお、民間の自由な発想に基づく創意工夫ある提案を求める趣旨から、事業や施設の廃止提案や、既存の委託業務の価格提案、市職員の業務の単純な委託提案などは対象外とする。事業の実施期間は原則として5年以内。

 提案にあたっては、市原市総合計画の内容なども踏まえ、どのように公益性の向上に資するのかを明確にする必要がある。このほか、連携する事業者は、可能な範囲で市内事業者を採用するように努めることを要請している。また、資金調達や報酬が、貸付料や広告料収入、光熱水費の削減相当額などによる場合、その一部を市に還元する提案については、競合する提案といずれかを選定する必要がある際に、優遇するとしている。

 これらを踏まえて、提案書には、事業の概要、実施場所、期間のほか、公益性、収支計画や事業手法・体制などの実現性、独創性などを記載する。公益性の向上、事業の実現見込み、提案者の資金力、独自のアイデア・ノウハウや特筆すべき付加価値の有無などが、評価のポイントとなる。審査により、提案は、事業化に向けて進める選定、継続協議、非選定のいずれかの結果に区分される。なお、同一施設で、同時に成立しない提案があった場合、追加でヒアリング審査を行う場合もある。