埼玉県宮代町は、5月11日に「第2期宮代町公共施設マネジメント計画」(以下、第2期計画)を策定したことを公表した。厳しい財政状況下でも必要な公共施設が持続できるよう2011年に建物施設を対象とした「宮代町公共施設マネージメント計画」(以下、第1期計画)を策定してから10年が経過。町民のニーズやライフスタイルが変化する中で、2021年に宮代町の未来像について策定した「第5次総合計画」に基づき、公共施設の展開を具現化する提案をしたものだ。

「地域の中心施設」の位置付け。民を含んだ「エリア全体」の中で「地域の中心施設」はそのハブとして機能 (資料:宮代町)
「地域の中心施設」の位置付け。民を含んだ「エリア全体」の中で「地域の中心施設」はそのハブとして機能 (資料:宮代町)
[画像のクリックで拡大表示]

 第2期計画では、第1期計画の考えを引き継ぎながら「建物(ハード)」の維持管理を中心とした第1期計画に対し、住民が必要とする「機能(ソフト)」に注目した。まず、コミュニティにとって必要な3つ要素を「目的があって行く場所」「目的がない人もいられる開放的な居場所」「やりたいことをサポートしてくれる場」として設定し、地域の中心施設ではこの機能をもつことを目指していく。

 また、地域コミュニティづくりにおいては、公共施設だけでなく、喫茶店や食堂などの民間施設や広場や公園のような空間も欠かせない「場」の要素とし、地域の中心施設には、こうした民間施設も含むエリア全体をつなぐ「ハブ」としての機能を持たせる構想を示した。

 さらに、複数の場の連携を図り、人と人とをつなげて新たな活動を生み出す「地域コーディネーター」の必要性を述べ、これには町職員、⺠間事業者、市⺠の誰が就いても構わないと提言している。

 計画の策定にあたっては、2021年7月に専門家からなる「宮代町公共施設マネジメント会議」を設置。現地調査や6回の会議のほか、12月には無作為に抽出した13歳から77歳までの町民43人と専門家4人、町長によるワークショップなどを実施して検討を重ねた。

ワークショップの様子(資料:宮代町)
ワークショップの様子(資料:宮代町)
[画像のクリックで拡大表示]

 宮代町の第1期計画では「原則として新しい公共施設は建てない」「学校を中心とする『地域の中心施設』に必要な機能を集める」「地域の中心施設に寄せられない施設については、その場で個別更新する」という基本方針を示した。全国的にも先進的な提案だったため、多くの自治体から注目を集めた。宮代町によると、国が全ての自治体に公共施設等総合管理計画の作成を求めるきっかけともなったという。第1期計画に基づいて実施した「ふれ愛センター」と「いきがい活動センター」の廃止により、町は維持管理費で年間5900万円、更新費用で合計3億9800万円の削減効果があったと算出している。