山梨県富士吉田市は、様々な事業者が市内に自分のサテライトオフィスを手軽に持つことができる取り組み「富士吉田市まるごとサテライトオフィス(まるサテ)」構想に関する業務をキャップクラウド(東京都千代田区)に委託した。

 この構想は、市内の様々な場所にワーキングスペースを用意し、複数の事業者がシェアすることで安価で導入リスクの少ないサテライトオフィスを持つことができるというものだ。また、滞在中は連携する宿泊滞在施設に安価で宿泊できるため、滞在時の費用負担を抑えることも可能。富士吉田市は新宿から2時間程度と仕事場所と短期滞在場所の両方を提供できる立地条件であることとから、市内を「まるごとサテライトオフィス化」することで、関係人口の創出、テレワークを活用した企業の進出やワーケーションの進出の促進を目指す。

まるごとサテライトオフィスのイメージ(出所:富士吉田市)
まるごとサテライトオフィスのイメージ(出所:富士吉田市)
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 具体的な取り組みとしてキャップクラウドは、富士急行線・富士山駅ビルショッピングセンター「Q-STA」の2階にサテライトオフィス拠点「ドットワークPlus」を5月2日にプレオープンした。7月1日に正式オープンする予定。施設内にはコワーキングスペース機能、カフェ機能、イベントスペース機能を用意し、仕事をしながら自然と市内外のビジネスが交流できる場とする。キャップクラウドが働き方を提唱するブランド名「ドットワーク」に新たな要素をプラスする施設となるようにと命名した。

プレオープンしたドットワークPlus(出所:キャップクラウド)
プレオープンしたドットワークPlus(出所:キャップクラウド)
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 さらに、同社が提供する「anyplaceパスポート」を活用し、市内の様々な場所にワーキングスペースを開設する。anyplaceパスポートは、空きスペースや空き時間をワーキングスペースとして提供したい施設や店舗と、テレワーク場所として利用したい事業者や従業員などをマッチングするサービスで、全国300カ所以上の提携施設を用意している。

 4月時点の市内で利用できるワーキングスペースは16カ所、7月には合計30カ所を用意する予定。市では22年度末まで50カ所まで増やしたい意向だ。料金プランは、滞在時のニーズに合わせて従量制、定額制、1日フリーパスなどを選択できる。このほかにも、市内の宿泊施設と提携し、4月時点の宿泊滞在場所は自社運営施設を含めて9カ所、7月には15カ所まで拡大する予定。

 キャップクラウドは、代表取締役CEOの萱沼徹氏が富士吉田市出身であることもあり、2018年8月に社内向けサテライトオフィス機能と社外向けコワーキングスペース・シェアオフィス機能を併せ持った施設「ドットワーク富士吉田」を開設した。まるサテ構想は、同施設と合わせて、同市に提案し、両者が連携して準備を進めてきたものだ。

 まるサテの事業期間は2022年度~25度末。22年度はデジタル田園都市国家構想推進交付金を活用し、23~25年度はふるさと納税のクラウドファンディングで資金を集め、事業を実施していく予定となっている。2022年度の事業費は委託費(3001万500円)、賃料、地域活性化起業人費用など合計約3860万円。デジタル田園都市国家構想推進交付金(地方創生テレワークタイプ、1969万2000円)のほか、新型コロナウィルス地方創生臨時交付金、地域活性化起業人特別交付税も活用する。

 富士吉田市では、目標としては2025年度末に、サテライトオフィス等施設を利用する企業数4社、サテライトオフィス等施設の利用者数3000人、移住者数10人を掲げている。