大阪府は、吹田市で進めている万博記念公園駅前周辺地区活性化事業について、三菱商事都市開発を代表とする企業グループを事業予定者に決定した。公募型プロポーザル方式で提案を募集し、応募2者から選定した。

 同事業は、都市部にあり、各種スポーツ施設を含む約258万m2もの広さを有する万博記念公園について、新たな魅力を創造し、活性化を図るために、民間活力を導入して大規模アリーナを中核とした大阪・関西を代表する新たなスポーツ・文化の拠点をつくるというものだ。2019年11月に公募を開始し、新型コロナウイルス感染拡大に伴う再三のスケジュール変更を経て、今回の決定(5月19日発表)に至った。

採択された活性化事業提案の平面図(資料:大阪府)
採択された活性化事業提案の平面図(資料:大阪府)
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 同グループの提案は、西日本最大級の1万8000人収容のアリーナを中心にホテル、オフィス、共同住宅を整備するというもの。アリーナは2027年秋頃の開業を目指す。グループは三菱商事都市開発のほか、世界有数のスポーツ・音楽興行会社のAnschutz Entertainment Group(AEG)、関電不動産開発の3者で構成する。

 公募対象地は、万博記念公園のうち大阪モノレール線万博記念公園駅の南側に広がる約14万6000m2の敷地だ。グループは、50年の一般定期借地権を設定した上で土地を借り受け、アリーナ棟のほか、商業・カジュアルホテル棟、ホテル棟、商業棟、A~Dの4棟のオフィス棟、および複数棟からなる共同住宅を建設する。

採択された活性化事業の完成予想図(資料:大阪府)
採択された活性化事業の完成予想図(資料:大阪府)
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 アリーナは延べ床面積6万9550m2、固定観客席1万3400席、最大収容人数1万8000人の規模で、西日本最大級のスペックとなる予定だ。年間のイベント開催数は165回、来館者数は約180万人を想定している。グループには、世界5大陸で数多くのアリーナ、大型劇場を所有・運営し、プロ・スポーツチームも所有するAEGが参画しており、招聘交渉可能な国際スポーツ大会として、世界フィギュアスケート選手権、プロテニスWTAツアー、NBA(北米プロバスケットボールリーグ)公式戦などを挙げている。快適なイベント観覧を実現するために、5Gの活用など高速通信環境の整備やタッチレス・キャッシュレス決済の導入、密を避けるための時間差による入退場などの取組みも行う計画だ。

 2023年に着工し、第I期としてアリーナ棟と商業・カジュアルホテル棟、共同住宅の一部が2027年に開業。その後、第II期から第IV期に分けて工事を行い、2032年から2037年にかけて順次開業していく予定だ。

 審査は、コンセプト、アリーナおよびアリーナを中核としたまちづくり、施設計画や事業安定性、府財政への貢献などについて計200点満点で行った。グループの評価点は163.8点だった。選定委員会は評価のポイントとして、国際的なスポーツ大会やコンサートをはじめ、広範な利用が可能な規模と世界最先端の機能を有する優れたアリーナの提案、アリーナを中核としたポストコロナ時代における新しいまちづくりの提案、景観への配慮やスマートシティ実現に向けた取組み、安定した事業計画などを挙げている。

この記事のURL https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/news/053102009/