キユーピー(東京都渋谷区)は、埼玉県深谷市の花園インターチェンジ付近で、野菜の魅力を体験できる複合施設「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」の整備を進めている。2021年4月に建設に着手し、5月21日に施設概要を公表した。同施設は深谷市が民間と連携して進めている「花園IC拠点整備プロジェクト」の一環で、2022年春に開業する。

「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」の全体イメージ。ランドスケープでは、赤城山・榛名山・秩父長瀞方面の山々を借景として生かす(画像:キユーピー)
「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」の全体イメージ。ランドスケープでは、赤城山・榛名山・秩父長瀞方面の山々を借景として生かす(画像:キユーピー)
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花園IC拠点整備プロジェクトの位置(資料:深谷市)
花園IC拠点整備プロジェクトの位置(資料:深谷市)

 花園IC拠点整備プロジェクトは、アウトレットモールを誘致する17.9haの「民間ゾーン」と、地域資源を活用しながら農業と観光を振興する6.8haの「公共ゾーン」で構成する。深谷市の資金で秩父鉄道が2018年秋に設置した新駅「ふかや花園駅」と直結させ、広域から人を呼び込む。施設全体で年間650万人の来場を想定している。

 キユーピーが「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」を整備するのは公共ゾーンだ。公共ゾーン全体を「深谷テラス」と呼び、市が整備する芝生広場やイベント広場に隣接してキユーピーの施設を整備する。土地は、地権者である市が事業用定期借地権を設定してキユーピーに賃貸している。建物は計画・整備・管理をキユーピーが行い、キユーピーの所有となる。事業期間は20年間である。

 「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」の設計は、日本工営(東京都千代田区)と黒川紀章建築都市設計事務所(東京都千代田区)。敷地面積は約1万7600m2である。広々とした農園の中に、マルシェやレストラン、野菜教室が入る平屋建ての建物を1棟建てる。来場者数は年間30万人を想定し、売上高は年間5億円を目標とする。

 なお、民間ゾーンでは三菱地所・サイモン(東京都千代田区)と三菱地所設計(東京都千代田区)が「(仮称)ふかや花園プレミアム・アウトレット」を整備し、2022年秋に開業を目指す。第1期の店舗数は100~120を予定している(深谷市の関連発表)。

地元の農業や野菜の魅力をアピールする施設に

建物側面のイメージ。大屋根がゆるやかな曲線を描く(画像:キユーピー)
建物側面のイメージ。大屋根がゆるやかな曲線を描く(画像:キユーピー)
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建物正面のイメージ。木を使って温かみを演出する(画像:キユーピー)
建物正面のイメージ。木を使って温かみを演出する(画像:キユーピー)
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 「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」のデザインは、「温かみ」や「自然との一体感」を重視した。建物は農園側に大きく開き、外部に向けて広がりを感じられるようになっている。深谷の産業であるレンガをアクセントとして建物や景観に取り入れる。農園では、季節ごとに色とりどりの野菜が実るほか、草花とハーブの寄せ植えなどもして、来場者や地域住民、施設スタッフで少しずつ景観を育てていくという。

 レストランでは、地元野菜や新鮮な旬の素材を使った料理を提供する。メニューなどの監修を、地域農業のサポートや子どもの食育などに力を入れる料理人の音羽和紀氏と音羽創氏が担当する。和紀氏は地産地消を提唱し、野菜の持ち味を生かした料理で知られる。和紀氏の次男である創氏は、土地の歴史や文化を重んじる一方、現代的なセンスも加えた料理を提供するという。

 体験農園では、季節に合わせたヨーロッパ野菜や新顔野菜などの収穫体験ができる。新顔野菜とは、輸送や貯蔵などの技術が向上したことにより、新しく一般市場に流通するようになった野菜の総称だ。

 マルシェでは、旬の新鮮野菜・果物の食べ方を提案しながら販売する。野菜教室は野菜について五感で学べる内容を予定している。

 体験農園・マルシェ・野菜教室の監修は、コスモファーム(香川県高松市)の中村敏樹代表が担う。コスモファームは、野菜の少量多品目生産や、マルシェやレストランへの直接販売、野菜を使い切る加工食品の開発などを手掛けている。

この記事のURL https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/news/060102012/