デジタルカレッジKAGA(石川県加賀市)は2022年5月30日、石川県加賀市の市街地上空において「空飛ぶクルマ」の飛行ルートを検証したと発表した。検証では、パイロットがパラモーター(エンジンを搭載したパラグライダー)に搭乗して、山間部の山中温泉から海岸の橋立漁港までの距離25キロメートル、高度100~200メートルを約1時間かけて飛行した。

検証した飛行ルート、地図はGoogle Earth(出所:デジタルカレッジKAGA)
検証した飛行ルート、地図はGoogle Earth(出所:デジタルカレッジKAGA)
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 空飛ぶクルマは、電動・垂直離着陸、自動運航(無操縦者)などの特徴を持つ空のモビリティー。小型のヘリポート程度のスペースがあれば離発着できる手軽な空の移動手段として期待されており、世界中で機体や関連技術の開発が進められている。

「空飛ぶクルマ」ルートの動画をYouTubeで公開
「空飛ぶクルマ」ルートの動画をYouTubeで公開

 デジタルカレッジKAGAは今回の検証によって、空飛ぶクルマの離発着地、市街地上空の飛行について、それぞれ以下のような課題が明らかになったとしている。

 離発着地については、「機体の大きさに合わせた広い離発着地が必要となり、最低でも1万平方メートル程度になると考えられる」「風向きや侵入経路の安全確保が必須であり、気流が複雑な山岳部での離発着コストは高くなる」など。市街地上空の飛行については、「様々なトラブルを想定し、退避場所に安全に着陸するためには、一定以上の滑空性能を有する機体が必須となる」「滑空性能を考慮した一定区間ごとの安全退避場所の確保とそのルール整備が必要」など。

 これらの課題を含めた検証の成果は、加賀市で2022年夏以降に開催される「空飛ぶモビリティシンポジウム」で発表する。また、パラモーターによるルート検証のノウハウや知見については、個別のヒアリングなどを通じて国内の自治体や企業に提供していく。

 デジタルカレッジKAGAは、デジタル人材の継続的育成のために2022年1月に設立された組織。運営方針を決定するコンソーシアムと事務局機能などを持つ株式会社で構成されており、デジタルカレッジKAGAの運営や実証実験などに協力する自治体を「連携自治体」として募集している。加賀市も連携自治体の一つとしてデジタルカレッジKAGAに参画しており、今回の飛行ルート検証ではパラモーターの離発着候補地のアドバイスなどでデジタルカレッジKAGAに協力した。