独RWE RenewablesのArkona洋上風力発電所(ドイツ)
(出所:九電みらいエナジー)
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「メガソーラービジネス」2020年6月2日付の記事より

 秋田県能代市・三種町・男鹿市沖および秋田県由利本荘市沖の洋上風力発電事業への参入を表明する企業が相次いでいる。両区域は、洋上風力開発を先行的に進める「有望区域」に指定されており、今後行われる予定の公募・入札に向けて競争が激化している。

 住友商事、ウェンティ・ジャパン、加藤建設、国際石油開発帝石(INPEX)、JR東日本エネルギー開発株式会社(JED)、石油資源開発(JAPEX)、東京電力リニューアブルパワー(東電RP)、成田建設は5月29日、能代市・三種町・男鹿市沖における洋上風力発電事業の実施に向けてコンソーシアムを組成したと発表した。

 最大480MWの着床式洋上風力発電所を2026年に稼働する計画。住友商事が2018年から地元自治体の理解と地元漁業関係者の協力を得ながら環境影響評価や海底地盤、風況の調査などを進めてきた。今後は、コンソーシアムが事業主体となり公募に向けた準備を進めていく。

 また、九電みらいエナジーと独再エネ事業者RWE Renewablesの日本法人RWE Renewables Japan合同会社は5月28日、由利本荘市沖における洋上風力発電の実施に向けて共同入札参加協定を締結した。最大700MWの洋上風力発電所を建設する計画で、公募に向けて環境影響評価も含めて準備を進めていく。

 両社は、2019年4月に国内における着床式洋上風力発電事業に関する協力協定を締結した。また、九電みらいエナジーは、北九州市響灘地区に最大220MW程度の洋上風力発電所を計画しており、2022年度の着工を目指している。

 さらに、中部電力と三菱商事パワーは5月29日、能代市・三種町・男鹿市沖と由利本荘市沖の両方の風力発電事業の開発可能性を検討し、環境影響評価法に基づき「計画段階環境配慮書」を取りまとめたと発表した。

 能代市・三種町・男鹿市沖では、単機出力8MW~12MWの風車を最大60基設置する計画。総出力は最大480MW。由利本荘市沖では、ウェンティ・ジャパンを含む3社共同で単機出力8MW~12MWの風車を最大105基設置する計画。総出力は最大840MW。今後、引き続き開発可能性の検討を進めていく。

 国は現在、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)」に基づき、洋上風力発電事業者を公募・入札で選定するエリア「促進区域」の選定を進めている。そのうち地元合意など環境整備が進捗している区域を特に「有望区域」としている。

 公募・入札で選定された発電事業者には、最大30年の海域専有が許可される。これまでに能代市・三種町・男鹿市沖では、大林組と関西電力などが出力455MWの洋上風力発電所を2024年度以降の稼働を目指して検討を進めている。また、由利本荘市沖では、レノバ、コスモエコパワー、JR東日本エネルギー開発、東北電力が共同出資し、出力約700MWの洋上風力の計画を進めている。

 こうした先行して開発を進めている事業者が、今後実施される入札による選定過程のなかで、どんな形で優位性を付与されるのか否か、なども注目点になる。