主要なバス路線における市郊外の地域拠点からJR宇都宮駅までの通常運賃(片道)(出所:宇都宮市)
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上限運賃制度の導入効果イメージ(出所:宇都宮市)
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 宇都宮市は2021年6月30日から、市内を運行する路線バスの上限運賃制度を開始する。午前9時から午後4時まで、宇都宮市内で路線バスを乗り降りした場合の1乗車あたり運賃上限額を400円とする。さらに、路線バス事業者による割引制度の対象者(小児、身体・知的障がい者)の1乗車あたり運賃上限額は200円となる。

 同市内では現在、関東自動車(宇都宮市)、ジェイアールバス関東(東京都渋谷区)が路線バスを運行している。通常の運賃と上限運賃400円との差額は、市が路線バス事業者に補填する。市ではそのための事業費として、2021年度予算で2796万7000円を計上している。

 同制度の利用者は、Suica、PASMOなどの交通系ICカード、またはSuicaに地域独自サービスを追加した「totra」で運賃を支払う。totraは、宇都宮市、栃木県芳賀町、関東自動車、ジェイアールバス関東、宇都宮ライトレール(宇都宮市)が参加する「totra運営協議会」が発行する地域連携ICカード。

 運賃支払いや定期券といった通常のSuicaの機能に加えて、関東自動車、ジェイアールバス関東、宇都宮ライトレール(以下、totra事業者)への運賃支払い額2%分のポイント還元、満70歳以上の宇都宮市民を対象とする高齢者外出支援事業(totra事業者の運賃1万円/年相当を利用できる)、精神障がい者保険福祉手帳2級または3級の交付を受けた宇都宮市民を対象とする精神障がい者交通費助成事業(通院月数×1000円、最大1万2000円/年のtotra事業者の運賃を利用できる)の機能を提供する。

 宇都宮市は上限運賃制度導入の狙いとして、郊外に住む市民の都市中心部へのアクセス改善による外出機会の促進とそれによる健康寿命の延伸、観光振興や地域のにぎわい創出、地域経済の活性化を挙げている。

 2021年5月27日に開催された佐藤栄一市長の定例記者会見によると、現状の路線バス利用者のうち400円を超える運賃を支払っている利用者の比率は1割であり、「400円以内ならバスで移動しようという気持ちが働いているのではないかと考え、上限金額を400円に設定」(佐藤市長)したという。