広島県福山市は、民間企業などが、AIやIoTをはじめとする先端技術などを活用した実証実験を、市内で実施することを支援する「福山市実証実験まるごとサポート事業」を行っている。特定のテーマを定めない「随時募集」と特定のテーマを定めた「テーマ募集」があり、このほど2020年度の募集テーマを「withコロナをスマートに」と決定し、概要を発表した。2020年6月中旬から募集を開始する予定で、現在、事前相談を受付中だ。

5月26日から、電子メール、電話またはウェブ会議システムによる事前相談を受け付けている(福山市のウェブサイトより)

 募集するのは、密集・密閉・密接の3密を避けるために国が示した、「新しい生活様式」に合わせた暮らしや事業者の活動を支援するサービス、製品の開発や社会実装に関わる実証実験。市は提案例として、家の中でできる子どもの遊びや学習の支援、運動や健康管理の支援、新型コロナウイルス感染症で打撃を受けた業種への支援などを挙げている。

 採択された実証実験に対して、福山市は幅広い支援メニューを用意している。市の先端技術推進室が窓口となり、専属の担当者を配置するほか、PR・広報、実証実験の実施に必要な場所の提供、規制緩和、県・国・警察などに対して必要な手続きの支援などを行う。20年3月に策定した「ふくやまICT戦略」を推進するため、20年度は支援メニューを拡充し、実証実験にかかる経費の一部補助も開始している。

 福山市は、実証実験を全国から募集し、支援することで、社会課題や地域課題の解決、地域の魅力創造、および市内の企業や大学などにおける先端技術の活用・研究・人材育成につなげることを目指し、18年度に「福山市実証実験まるごとサポート事業」を創設した。

 これまでに、高齢者の自宅トイレに設置した見守りライトを活用した認知機能の低下等の予見(実施者はユニマット リタイアメント・コミュニティ、エヌ・ティ・ティレゾナント、TIS)、AIによる口内の健康状態予測(同、歯っぴー)、指静脈認証を活用したキャッシュレス決済(同、エブリイ、東芝テック、アララ、日立製作所)など、5つの実証実験をサポートした実績がある。