富山県富山市は2019年6月、「富山市スマートシティ推進基盤」を使った実証実験に参加する民間事業者や研究機関の一般公募を開始した。富山市スマートシティ推進基盤は、富山市のほぼ全域をカバーする無線通信ネットワークとこれを経由して収集したデータを管理するクラウドサービスで構成される情報基盤。行政事務を高度化・効率化するスマートシティの実現、IoT(インターネットオブシングス)技術を活用した新産業の育成などを目的に構築された。

[画像のクリックで拡大表示]
富山市スマートシティ推進基盤のイメージ(資料:富山市)

 公募の締め切りは2019年8月16日、審査結果の通知は8月23日を予定する。公募の採択にあたっては実証実験計画書の内容とともに、事業の実施能力が審査される。採択された事業者や研究機関は、センサー類などのIoTデバイスの性能評価、収集したデータの確認(簡単なグラフ作成、CSV出力)、データを使った新サービスのテストなどの実験環境として、同基盤を2019年9月から2020年2月までの6カ月間無償で利用できる。ネットワークに接続するIoTデバイスの登録数は100台以下、保存するデータは2GB以下であり、これらの条件を超える提案を行う場合は富山市と事前に協議する必要がある。実験結果は富山市のホームページなどで紹介されるほか、実験内容に関連する業務を所管する市の担当者への報告会も開催される。

 富山市スマートシティ推進基盤の無線通信ネットワークは、低消費電力の広域ネットワークであるLPWA(Low Power、Wide Area)通信方式の1つ「LoRaWAN」を採用しており、富山市全人口(約42万人)の98%が居住する区域をカバーする。事業者が設置したセンサーからのデータはこの無線通信ネットワークを経由してオープンソースソフトウエア「FIWARE」を使ってクラウドに構築されたデータ活用基盤に集められる。事業者は収集したデータをダッシュボード(インターネット経由の簡易な表示機能)で参照・分析したり、FIWAREのAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)を使って自分たちが構築した別のシステムに取り込んで利用したりできる。