山口県山陽小野田市は、LABV(Local Asset Backed Vehicle)手法による再開発事業に着手する。6月8日、事業パートナー公募に先立ち、実施方針と要求水準書案を公表した。

事業対象地(資料:山陽小野田市)
事業対象地(資料:山陽小野田市)
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リーディング施設①のイメージパースと想定する入居者・機能(資料:山陽小野田市)
リーディング施設①のイメージパースと想定する入居者・機能(資料:山陽小野田市)
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 LABVとは、自治体が公有地を、民間事業者が資金を出して共同事業体をつくり、公共施設と民間施設を複合的に整備、維持管理・運営する手法だ。通常のPFI事業が特定の公共施設を対象とするのに対し、LABVは複数の公有地を対象とする。

 山陽小野田市のLABV事業の対象地は、解体を予定する商工センターと中央福祉センター、高砂用地。これに、山口銀行が所有する山口銀行小野田支店を加える。これまでに小野田商工会議所、山口フィナンシャルグループ、市立山口東京理科大学がプロジェクト関係者として参画している。

 事業の基本コンセプトは「多世代が集う交流・にぎわい拠点」「産官学金連携によるイノベーションが実現する拠点」「地域の産業振興支援や新たな雇用促進を通じて、地域経済活性化を目指す拠点」「市有地利活用による利便性の高い生活空間の形成」の4つ。

 先行して商工センターを建て替えて官民複合施設(リーディング施設①)とし、この施設には、中央福祉センターと山口銀行小野田支店の移転、山口東京理科大学の学生寮の新設などほか、交流広場を整備し、民間テナントを誘致する。次いで、山口銀行小野田支店移転後の跡地(リーディング施設②)を、コワーキングスペースやインキュベーション施設、大学連携施設などに活用する。中央福祉センター移転後の跡地と現状更地の高砂用地については、今後、事業パートナーの提案を踏まえて検討する。

 商工会議所と山口銀行は、今後募集する事業パートナーと、株式会社または合同会社としてLABV共同事業体を設立する。市は土地を現物出資するのみで、経営や事業の意思決定には関与しない。市の当初出資額は商工センターの不動産評価額1億1200万円。施設完成後はLABV共同事業体が土地建物を所有し、市は公共部分の家賃を支払う。事業期間は運営開始後30年程度を想定し、事業終了後も施設の継続利用が望ましいとしている。

 市は6月18日まで、実施方針についての対話の要望または質問を受け付けている。6月25日までに随時対話を行い、質問に対する回答を公表する予定だ。6月中には募集要項を公表、12月に選定して22年1月にLABV共同事業体を設立、24年4月に第1期の施設開業を目指す。