事業方式、スキームなどの概要(資料:大阪市博物館機構)
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美術館の外観イメージ(資料:大阪市)
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 地方独立行政法人大阪市博物館機構(以下、機構)は、2021年度に開館予定の大阪中之島美術館の運営について、コンセッション(公共施設等運営権)方式の導入を想定しており、このほどPFI事業の実施方針を公表した。新たな美術館には、話題性と集客力を期待していることから、民間事業者が創意工夫を最大限に発揮することで、効率的で効果的な施設運営を実現することを目指し、コンセッション方式を導入することにした。美術館・博物館におけるコンセッション方式のPFI事業は全国初の事例となる。

 今後、公募型プロポーザル方式によりPFI事業者を募集する。6月28日に募集要項を公表し、2019年度後半に優先交渉権者を選定する予定だ。公募にあたっては、応募資格として、美術館・博物館、または5000m2以上の文化施設の運営実績などの条件を課す。

 大阪中之島美術館は、大阪市が北区中之島4丁目に新たに設置する美術館だ。2016年3月に、公共で施設を整備し、運営にPFI手法を導入する方針を決定後、2017年にサウンディング調査も実施。2018年10月には、PFI事業の実施方針(案)を公開したという経緯がある。建物は地上5階建て、延べ床面積約2万m2を予定。2017年に、コンペにより設計者を選定し、2019年度中の着工を目指して取り組んでいるところだ。顧客目線を重視し、利用者サービスに優れたミュージアムをコンセプトに掲げ、作品の収集・保存・研究・展示・教育普及のほか、大学・企業・地域などとの連携や、貸室、カフェ・レストランなど多岐にわたる機能を想定している。

 今回のPFI事業は、PFI事業者に運営の自由度を与えるとともに、相応のリスクを移転することを基本としている。具体的な事業範囲は、開館準備業務、施設管理運営業務、寄付金調達支援業務で、原則として、美術品の取得行為以外はPFI事業者の裁量で行うものとする。このほか附帯事業として、PFI事業者の提案により、独立採算での事業も実施することができる。

 事業方式は、美術館の利用料収入と市から支払われるサービス対価の混合型となる。機構がPFI事業者に運営権を設定。PFI事業者は来館者から利用料金などを収受し、運営費用に充てる形で、収入と運営費の差額は、機構がサービス対価として支払うスキームだ。また、館長と学芸員は機構からPFI事業者に出向し、給料も機構が直接支払う。

 運営はPFI事業者側に一元化する一方で、美術品の収集には機構側が責任を持つほか、館長と学芸員が展覧会の企画などを担うことで、社会教育施設としての公共性も確保する方針だ。さらにPFI事業の確実な実施を確保するために、利用者満足度調査の実施などPFI事業者によるセルフモニタリングに加えて、機構による業績監視と、機構が設置した第三者機関によるモニタリングなども実施する。

 事業期間は開業後15年間。ただし、機構とPFI事業者の合意により最大で15年間の延長も可能とする。開業前の開館準備業務は業務委託で実施し、施設の引き渡し後に運営事業を開始する。