「多様な主体間の連携による公園の魅力アップ」の考え方(資料:横浜市)
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 横浜市は6月10日、「公園における公民連携に関する基本方針」の素案を公表した。7月10日まで、素案に対する意見を募集している。

 横浜には2675カ所の市立公園がある。人口や小学校の数に比べて十分でないほか、設置から30年以上が経過した公園が6割を越え、順次、再整備が必要な状況だ。そこで市は、社会情勢の変化や利用者ニーズの多様化に対応するため、これまで以上に多様な主体と連携し、利活用を推進していく必要があると考え、公民連携に関する基本方針を策定することにした。公民連携による公園の魅力アップを図ることで、市民生活の質的向上と都市の持続可能な成長につなげ、横浜のブランド力向上を目指す考えだ。

 基本方針では、公園の計画から整備、維持管理、運営までを一体的に考えるパークマネジメントの視点と、人口減少と税収減少を背景とした維持管理の効率性の向上を重要な要素と指摘した上で、公民連携の基本理念と行動5原則、および具体的な施策の例を示している。

 基本理念は、公と民に限らず、民と民なども含めた「多様な主体間の連携による公園の魅力アップ」とした。具体策として、(1)公園を支える担い手(地域、NPO法人、企業など)の拡大、(2)担い手同士のさらなる連携と「公」のコーディネート機能の発揮、(3)「民」の柔軟な発想による新たな価値創造――の3点を挙げている。

 行動5原則は、取り組みを進めるに当たっての公と民の向き合い方や、公園の取り組みならではの配慮事項を示したもので、以下の通りである。

  1. 公園の目指す将来像の共有
  2. 「公」と「民」の相互理解と適切な役割分担
  3. 地域に寄り添う利活用
  4. それぞれの公園に求められるニーズへの対応
  5. 適切な取り組み手法の選択

 2.の適切な役割分担とは、公は、取り組みにおける公側の担い手としての役割に加え、民同士の連携のマッチングや、民による取り組みにおける公平性の担保などのコーディネート機能を果たす。一方で民には、優れたノウハウやアイデアを生かした質の高いサービス提供によって、公園の魅力や効率性を向上させることを求めている。また5.について、民のノウハウやアイデアを活用する手法を選択する場合には、公は、事前に対話などを通じて民の意欲や事業性を確認し、必要に応じて参画環境を整えることに留意するとしている。

 施策の例として示されたのは、以下の5点だ。

  • パークマネジメントプランなどによる公園の将来像の共有
  • 公園愛護会*の支援強化と機能拡充
  • 公募型事業の展開や制度間の連携などの推進
  • 公民連携推進の仕組みの整備
  • 公民連携に関わる人材育成など

*公園愛護会とは、公園で清掃や草木の手入れなどを行う地域のボランティア団体。市内の約2300公園で、計2450団体が結成されている(2018年3月末時点)

 基本方針は区役所などで閲覧できるほか、ホームページにも掲載されている。概要版のリーフレットも作成しており、区役所などで配布している。ホームページでも見ることができる。素案に対する意見は電子メール、ファクス、はがき、持参のいずれかの方法で受け付ける。リーフレットには専用のはがきが付いている。市は集まった意見を踏まえ、9月頃までに基本方針を確定し、公表する予定だ。