福島県磐梯町は2022年7月22日に、町内の加盟店で使用できる地域デジタル通貨「ばんだいコイン」を運用開始する。初年度となる2022年度は、実証事業として1億円のばんだいコインを流通させる計画だ。

ばんだいコインのアプリ画面(出所:磐梯町)
ばんだいコインのアプリ画面(出所:磐梯町)
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 ばんだいコインは、現金を専用アプリにチャージしてコインに変換し、1コインを1円相当として利用できる。チャージ金額に対して10%のポイントが付与され、1ポイント=1コインとして利用できる。チャージは、磐梯町内に設置されたチャージ機のほか、全国のセブン銀行のATMでも行える。

 加盟店は30~50店舗を見込んでいる。ばんだいコインの有効期限は当面2023年3月31日に設定するが、実証事業の結果を検証しながら23年度以降の継続的な運用を目指す。

 地域デジタル通貨のプラットフォームは、フィノバレー(東京都港区)が開発した「MoneyEasy」である。MoneyEasyは、支払方法に2次元コード読取方式を採用するため、店舗側で初期投資や手間をかけずに導入できる。また、アイリッジ(東京都港区)のファン育成プラットフォーム「FANSHIP」と組み合わせることで、マーケティング機能を融合した決済基盤を構築できる。

 通貨の名称やアプリのデザインは、愛着を持って利用されるよう、地元小中学生を含む町民や観光客650人からの投票によって決定した。このほか、アプリの決済音に町内の幼稚園の子どもたちの声を採用するなどの工夫をした。

 磐梯町の人口は約3400人だが、同町にはゴルフ場やスキー場、道の駅、複数の宿泊施設などがあり、年間約120万人の観光客が訪れる。磐梯町は複数の企業と共創事業を手掛けており、ビジネス目的の訪問も多い。地域のさらなる価値創造や共生社会を共創するための手段として、自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的に取り組んでいる。

 2021年度には、利便性の向上、行政コストの削減、地域経済の活性化を目的とした町民向けデジタル地域振興券を1000万円分発行し、即日完売・全額流通させた実績がある。2022年度には、次のステップとして、町民だけでなく町外からの来訪者も利用できる地域デジタル通貨を発行する。