奈良市は、内閣府の地方創生テレワーク交付金を活用し、民間事業者によるシェアオフィスの設置・運営に対する支援を検討している。設置・運営事業者の公募に先立ち、事業への参入意向を持つ民間事業者から広く意見や提案を求めるために、サウンディング型の市場調査を実施する。2021年7月16日まで、ヒアリングシートの提出を受け付けている。

シェアオフィスのイメージ図(資料:奈良市)
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 奈良市は、新型コロナウイルス感染症の影響による都市部のオフィス分散を見据え、2020年にIT・クリエイティブ企業を対象とした「サテライトオフィス設置推進補助金」を創設し、市への拠点誘致を進めている。しかし、市内には現在、個室利用が可能で設備や備品などが整ったシェアオフィスがない。そのため、市は、シェアオフィスを設置し、企業が初期投資を抑えてスピーディーに事業拠点を構えられる環境を整える考えだ。

 市が想定しているのは、奈良市に立地するオフィスビルなどの既存の建物の全部または一部を、民間事業者がシェアオフィスとして改修し、設置・運営する事業。民間事業者は公募で決定し、市はシェアオフィスの整備と運営に要する経費を補助金で支援する。採択件数は1件、補助率は2分の1、補助上限額は1000万円だ。

 募集要領案によると、事業者が保有または賃借する既存物件の改修を原則とし、JR線の奈良駅、近鉄線の奈良駅、新大宮駅、大和西大寺駅から徒歩10分圏内に立地している物件を対象としている。フロアの要件としては、総席数20席以上、4人利用以上の個室3区画を含む複数区画の個室ワークスペースの設置、共用スペースと会議室スペースの設置など。設備要件としては、Wi-Fiなどの通信環境とオフィス利用に必要な備品の整備のほか、施設と個室の入退室管理に必要なセキュリティの確保、換気など新型コロナウイルス感染症感染防止のための設備の導入を挙げている。

 公募対象者は、シェアオフィスの運営実績があり、市が設定するKPIを達成できる実施体制、良好な財務状況などを有する法人を想定している。事業スケジュールは、8月下旬から9月末にかけて事業者を募集した後、審査・決定、改修工事を経て2022年3月の運営開始を予定している。なお、市はこの設置・運営に対する補助金のほか、入居企業獲得のために、プロモーション活動への支援や奈良県外からの入居企業に対する進出支援金の支給といった間接的な支援も行う。

 サウンディング調査では、参加法人の技術や実績、事業への参入意欲、募集要項や補助対象経費などに対する意見、シェアオフィスの事業案などについて対話を交わす。参加を希望する場合は、所定のヒアリングシートに必要事項を記入し、7月16日までに電子メールで提出する。個別ヒアリングは、シート提出後、7月30日までの期間に実施する。調査結果は8月中旬に公表する予定だ。