愛知県は、常滑市の中部国際空港島内、長久手市のモリコロパーク(愛・地球博記念公園)、名古屋市鶴舞周辺の県内3カ所で自動運転車の実証実験を行う。愛知県は2016年度から自動運転に関する各種の実証実験に取り組んでいるが、今回は交通事業者などが自動運転車を実運用する際のビジネスモデルについて検証する。期間は、鶴舞周辺が早ければ2021年8月から3カ月程度、他の2カ所については2021年9月から2022年3月末までの間で、開始時期および実施期間を調整している。

 実験地域ごとに、それぞれ異なる実証テーマや自動運転技術を検証する。中部国際空港島内の実証テーマは、「公道と空港制限エリアの同時運行・管理」。日野自動車の「日野ポンチョ」をベースに、ルート上の磁気マーカーを利用する自動運転機能を搭載した小型バスを使用する。走行ルートは、空港の第1旅客ターミナルビルと貨物地区(公道)の間、および第1旅客ターミナルと第2旅客ターミナル(空港制限エリア)の間の2つ。AI(人工知能)を使った映像解析、車両や歩行者を検知する路側センサーを併用しながら、遠隔地の管理者が1カ所から2つのルートを一元的に管理する。

各実験地域で使用する車両(出所:愛知県)
各実験地域で使用する車両(出所:愛知県)
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 モリコロパークの実証テーマは、「リニモ(愛知高速交通東部丘陵線)のリニモ公園西駅から園内目的地へのシームレスな移動」だ。公道ではトヨタ自動車の「ジャパンタクシー」をベースとした自動運転車、公園内ではカート型の自動運転車を使用する。いずれの車両も自動運転OS「Autoware}を搭載する。運行管制システムが、需要に応じて複数の走行ルート、運行ダイヤ、配車台数を自動設定する仕組み。愛知県交通対策課が名古屋東部丘陵地域で実施するMaaS(Mobility as a Service)実証実験とも連携する。

 名古屋市鶴舞周辺の実証テーマは、「都心における自動運転を利用した移動」。都心の幹線道路を含むルートでの運行を予定しており、一般車両と混在した交通環境での自動運転の知見を蓄積する。車両は、仏Navya社の自動運転用電気自動車「NAVYA ARMA」を使用する。愛知県は、同実験の知見を生かしながら、将来的に名古屋駅と鶴舞を自動運転車で結ぶモビリティーサービスへつなげることを目指している。

 各実験地域での委託先企業と主な役割は以下の通り。

■中部国際空港島内(幹事会社はNTTドコモ)
NTTドコモ:事業統括、通信環境構築、5G(第5世代移動通信システム)を活用したソリューションの提供、車両調達
先進モビリティ:自動運転バス車両の提供、走行調律作業の実施
名鉄バス:自動運転バスの運行計画の策定・運行
日本信号:路車間協調システムの提供
愛知製鋼:磁気マーカーの提供
シーキューブ:磁気マーカーの敷設工事の実施

■長久手市モリコロパーク(幹事会社はNTTドコモ)
NTTドコモ:事業統括、通信環境構築、5Gを活用したソリューションの提供、車両調達
アイサンテクノロジー:車両の提供、3Dマップの作成
ティアフォー:自動運転OS(Autoware)の運用支援
岡谷鋼機:社会実装に向けたアドバイス
損保ジャパン:リスクアセスメント
三菱電機:運行管制システムの提供

■名古屋市鶴舞周辺(幹事会社はWILLER)
WILLER:事業統括、将来的なサービスモデルの検討、車両提供
WILLER EXPRESS:自動運転バスの運行計画の策定・運行
名鉄バス:自動運転バスの運行計画の策定・運行
ST Engineering:自動運転システムの技術面でのサポート
BOLDLY:3Dマップの作成、車両設定、自動運転オペレータートレーニング
イオンタウン:将来的なサービスモデルの検討
名古屋工業大学:ニューノーマルにおける移動を通したコミュニティー形成に関する共同研究

発表資料