京都府南丹市の要保護児童対策地域協議会(以下、要対協)は、児童虐待を防止するために市役所や学校などの関係者が情報共有できるシステムを導入した。採用したのはサイボウズの「Kintone(キントーン)」で、業務アプリケーションの開発・運用プラットフォームとなるクラウドサービスである。5カ月の試験導入を経て、2019年7月1日から本格的な運用を開始した。

Kintoneによる児童虐待防止のための情報共有イメージ。警察、医療機関などへの報告・共有機能は今後の検討課題(資料:サイボウズ)
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 Kintoneでは現在、虐待を受けている可能性のある対象児童のリスト管理、それぞれの経過記録、学校や保育園/幼稚園の出欠状況記録の3つのアプリが稼働する。市役所の子育て支援課、学校・保育所などの関係者がこれらの情報を共有することで、児童虐待の可能性がある場合の迅速な対応が可能になる。

 例えば「今日も会えなかった」という学校からの報告を市の担当者が夕方に参照、 学校と緊急度を相談したうえで、その夜のうちに児童の自宅を訪問して状況を確認することができるようになる。従来は紙ベースで10日以上を要していた出欠状況など定期報告の取りまとめも、アプリへの画面入力だけで完結するようになった。

 Kintoneの採用では、サイボウズが提供する「児童虐待防止特別プラン」を利用した。同プランは、児童虐待防止に携わる人々の情報共有であれば、kintone、ガルーン、サイボウズOfficeなどサイボウズのクラウドサービスを5年間無料で利用できるというもの。虐待防止のための情報共有システムを検討していた南丹市は同プランの存在を知り、2018年からKintoneの試験導入に取り組んできた。

 現在、市役所の担当部署、学校、保育所/幼稚園が、Kintoneを用いて児童虐待防止のための情報を共有する。南丹市では今後、児童相談所、警察、医療機関、社会福祉協議会にも、適切なアクセス権限を設定したうえで情報共有の範囲を拡大することを検討している。