茨城県日立市、茨城交通(茨城県⽔⼾市)などが参画するひたち圏域新モビリティー協議会は、2021年6月11日から日立市内でオンデマンドの乗合タクシーサービス「AIデマンドサービス」の実証実験を進めている。国⼟交通省が推進する令和2年度日本版MaaS推進・支援事業の支援を受けて実施する。期間は7月22日までの予定だ。

AIデマンドサービスの宮田・助川・成沢エリアで使用する乗合タクシー(出所:ひたち圏域新モビリティー協議会)
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 このサービスは、日立市内の2地域に約580カ所の停留所を設定し、利用者の現在地と目的地のそれぞれに近い停留所の間を乗合タクシーで送迎するもの。「ダイナミック・ルーティング」と呼ばれる仕組みだ。利用者は、ナビタイムジャパン(東京都港区)が開発したMaaSアプリ「Hitachi MaaS」を使って乗合タクシーの予約から決済までを行う。目的地を入力すると、現在地から乗車停留所、降車停留所、目的地までの地図と送迎時刻、料金を提示してくれる。MaaSアプリの乗換検索機能にもAIデマンドサービスが組み込まれているため、利用者はAIデマンドサービスを地域交通の一つとしてシームレスに利用できる。

 乗合タクシーは、複数の乗合利⽤者を最も効率的に送迎できるよう、Via Mobility Japan(東京都港区)のAI(人工知能)システムで計算したルートに基づいて運行する。ドア・ツー・ドアで送迎するタクシーに準じた利便性をもつとしている。運賃は2km以内で400円、2km超で600円と、通常のタクシー料金と比べ4割以上安く設定されている。

 実証実験の対象地域は、日立市の大沼エリアと宮田・助川・成沢エリアの2地域。停留所数や運行時間は次の通り。

■⼤沼エリア
停留所:約230カ所
運行時間:9時〜17時
車両:セダン型タクシー(定員2人)
■宮田・助川・成沢エリア
停留所:約350カ所
運行時間:9時〜12時、14時〜17時
車両:ジャンボタクシー(定員3人)

AIデマンドサービスの運行エリア(左が大沼エリア、右は宮田・助川・成沢エリア、出所:ひたち圏域新モビリティー協議会)
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 ひたち圏域新モビリティー協議会は今後、MaaSアプリによるシームレスな交通利用環境の提供を通して、新たな利用者層の発掘を目指す。また、バスなどの公共交通サービスを補完する交通手段としてAIデマンドサービスの可能性を継続的に検討し、地方交通のモデルとして、同様の問題を抱える他の地域への利用拡大を模索する。