「Beyond Health」2021年7月1日付の記事より

 高知県西部に位置する宿毛(すくも)市が、オンライン診療、オンライン服薬指導、地域医療情報ネットワーク(EHR)を活用した「SUKUMOオンライン医療実証事業」を開始した。実証期間は2021年6月28日〜同年12月28日までの半年間となる。

 宿毛市は人口約2万人、約1万世帯の小都市であり、高齢化率は39.9%と全国平均のおよそ1.4倍。入院、外来における疾病件数の上位を高血圧性疾患、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病が占め、定期通院を要する患者の割合が多いのが特徴だ。

 宿毛市は医師数、病床数ともに人口10万人比で全国平均を上回り、医療資源には恵まれている。その一方で南北に長い地形に対し、病院が東西に横断する形で点在し、南北の中山間地域からのアクセスが高いハードルとなっていた。さらに、薬の服用による有害事象を招く恐れのある在宅高齢者への多剤服用、重複投薬の防止も課題だったという。

SUKUMOオンライン医療実証事業の概要。市では“宿毛市モデル”の構築を目指す(出所:発表会のスクリーンショット)
SUKUMOオンライン医療実証事業の概要。市では“宿毛市モデル”の構築を目指す(出所:発表会のスクリーンショット)
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 これらの課題を解決するために今回の実証事業が計画された。2021年6月28日に開催した実証事業の発表会で、宿毛市の中平富宏市長は「今後は地域が一体となり、患者の医療を支える体制の構築が必要。そのために医療へのアクセシビリティ向上による治療の継続、医療機関の相互情報共有による多剤服用・重複投薬の低減を解決しなくてはならない」と取り組みの狙いを説明。オンライン診療、オンライン服薬指導、EHRの3つを組み合わせて行なうオンライン医療実証は高知県初だとし、「これを成功させ、宿毛市モデルとして確立したい」と抱負を語った。